南米のクロコダイル:パラグアイカイマンの特徴とは?

パラグアイカイマンはクロコダイルとガビアルの親戚で、アリゲーター科に属します。今日の記事では、この大きな南アメリカの生物について学びましょう。
南米のクロコダイル:パラグアイカイマンの特徴とは?

最後の更新: 25 10月, 2019

パラグアイカイマンは南アメリカ原産のカイマン亜科です。ワニ目アリゲーター科に属し、クロコダイルとガビアルの親戚です。

パラグアイカイマンの主な特徴

パラグアイカイマンの学名は「Caiman Yacare」ですが、その他にもたくさんの名前を持っています。例えばピラニアカイマン、赤カイマン、南メガネカイマンなどです。この種は細長い頭をしており、先端に向かって細くなっていく鼻をしています。

ぎゅっとつまった体の皮膚は実質的に貫くことができません。また、この種はしっぽが筋肉質だというおもしろい特徴も持っています。

パラグアイカイマンの体の色については、子どもの頃と大人になってからで変わります。若いパラグアイカイマンはオリーブ色の体に黒っぽい斑点があります。しかし大人になると黒っぽい色が背中に現れます。

オスは2.3メートルほどになりますが、3メートルまで成長した例も報告されています。

繁殖期になると、オスは水の中で旋回するダンスをします。これは夏の間に行うとても特徴的な儀式なのです。メスを感動させられたオスはダンスの後にメスに近づくことが許されます。

繁殖が終わると、12月~4月の間に産卵を行います。有機質廃棄物や自分で見つけた材料で作った巣の中に卵を産みます。これらの巣の直径は約1.3メートルあります。

パラグアイカイマン 特徴

生息地と分布

最近は、この種はアルゼンチン、ボリビア、ブラジル、パラグアイなどの南アメリカの様々な国に生息しています。

カイマンは、クロコダイルやガビアルと同じように、常に水の近くにいます。ですので、さまざまな場所で見つかるといっても、彼らは真水の流れる川や河口、湖などを好みます。

同時に、川や河口の端で日光浴をするのも大好きです。ブラジルでは、世界最大の齧歯動物カピバラと共に平和に暮らしているのです。

パラグアイカイマンの保護状況

パラグアイカイマンは低危機種のカテゴリーに分類されています。最近ではパラグアイカイマンの生息数が正確にどれくらいなのか、専門家にもわかっていません。

これまでパラグアイカイマンの皮を求めて狩りを行う密猟者の存在が最大の脅威でしたが、それは今でも変わっていません。1970年代にはその生息数は現在の何分の一かだったのです。これは基本的に違法取引のための密漁によるものでした。

19世紀と20世紀の間、その皮のためにパラグアイカイマンは貴重な狩りの獲物になっていました。しかし、その後環境保護者の手により保護種に指定されました。

保護戦略

この種の生息数回復を目指し、政府がさまざまな保護戦略を作成しました。提案されたものの中には、自然の生態系を考慮に入れて野生動物を使うことなどがありました。

そのために、商業的な利益が得られつつパラグアイカイマンの保護につながるビジネス戦略が提案されました。

卵の孵化

アルゼンチンなどの国は、「パラグアイカイマン・プロジェクト」のような保護戦略を作成しました。その目的は持続可能な方法で国の湿地を活用することで、卵を保護することです。同時に地元の農業や貝猟などの支援にも努めました。

卵の孵化は、パラグアイカイマンが自然に産んだ卵をとってきて行います。システムの使い方によって卵を早いうちかあるいは後から卵を集めます。そして、卵を人工的に孵化させ、管理された環境で子どもを育てるのです。

このプロセスにより、種の保護の上でのある決定的な要素を防ぐことができるのです。それは、アリゲーター科の種は卵の中で死んでしまう確率がとても高いということです。さらに、卵から孵化しても最初の一年の間苦しむことになるのです。

また、このような子どものパラグアイカイマンはストレスによる病気になってしまうこともあります。これは最初の一年間の寒い気候や巣に水が流れ込んでくることなどによるものです。

子どもがある程度大きくなったら、自然に帰されます。その中で、最も生息数の少ない地域によりたくさん放すようにしています。

パラグアイカイマン

負の要素

さらに、パラグアイカイマンが巣を作るエリアの保護も重要です。人間によるさまざまな妨害の為、メスが自分の巣を放棄してしまうということが、専門家により観察されています。

この妨害には、人間の存在やそのほかの人間の介入による問題が含まれます。例えば、河口から水路を作ることで、そのエリアが乾いてしまうことなどで住処を失ったりしています。

パラグアイカイマンは昔危機にさらされましたが、今は状況が変わっています。保護活動のおかげで、絶滅の危機を回避することができたのです。


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