世界で一番ハッピーな動物と呼ばれているクオッカについて

クオッカは小さなカンガルーのような動物で、国際自然保護連合(IUCN)によって「危急種」に指定されています。また、彼らは常に笑顔を浮かべていることから、「世界で一番ハッピーな動物」というニックネームを持っています。
世界で一番ハッピーな動物と呼ばれているクオッカについて

最後の更新: 29 12月, 2019

クオッカは常に顔に笑みを浮かべていることから、「世界で一番ハッピーな動物」という称号を得ています。最近注目を集めるようになって、この動物はいったいどんな動物なんだろうと興味を持つ人が増えているようです。

有袋類のクオッカ

この小さなカンガルーのような動物には、“Setonix Brachyurus”という学名がついています。有袋類の一種で、双前歯目カンガルー科に分類されます。

双前歯目の動物は皆有袋類で、オセアニア地域に暮らしており、その動物の種類は実にさまざまです。少なくともカンガルーやコアラ、クスクス、ピグミーポッサムなどの名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。

双前歯目の決定的な特徴は、2つの前に出た切歯です。また、漸新世(2300万年以上前)にさかのぼれば、彼らが多くの変化に適応してきたことがわかります。また、それもこんなにたくさんの種がいる理由でもあります。

クオッカの歴史

クオッカについての最古の記録は、1658年のものです。この動物を「ジャコウネコに似ているが、色は茶色である。」と記されています。そのわずか数十年後、また別の人物が発見した際には、「ネコと同じくらい大きなネズミの一種。」と表現しています。

今ではクオッカと呼ばれていますが、アボリジニーの人々はたくさんの異なる名前で呼んでいました。ここで挙げるには多すぎるほどたくさんあるのですが、中にはクアカやクオカというものもあります。明らかにこれらから英語名が取られたのでしょう。

ハッピーな動物 クオッカ

分類学上はカンガルー(Setonix)科に分類されます。英語の単語はラテン語で毛を意味する“seta”と、爪を意味する“onix”の合わさったものです。
一方上の学名ででてきた“brachyurus”の部分については、ギリシャ語から来ています。これは短いという意味の“brachys”と尻尾という意味の“oura”から来ています。

専門家は、最近までクオッカはカンガルー科の他のワラビーから分岐しただけだと考えていました。 しかし共通した特徴が無いため、区別をするために別の種として分類されるようになったのです。

一般的な特徴

クオッカは小さい動物で、イエネコと同じくらいのサイズです。短く密集した灰茶の毛皮をしており、ところどころ色が明るい場所もあります。鼻のまわりには毛がなく、小さな耳を持っています。しかし長い尻尾は約10センチ~30センチまで成長することもあるのです。

体重についてはだいたい2.7キロ~4キロほどです。体長は(頭まで入れて)40センチ~53センチほどです。後足も12センチほどまで成長します。

この種においては雌雄差もある程度あります。オスはメスに比べて少し体長が長く体重も重い傾向にあります。平均して1.3センチほどメスより体長が長く、1キロほど体重が重いようです。

クオッカ 幸せな動物

食習慣に関しては、基本的には草食です。葉っぱや茎が好物ですが、住んでいる地域や季節によっても食べるものは変わります。

また、夜行性の動物であり、オーストラリアの東部に生息しています。より具体的にはロットネスト島やボールド島などを含む東南地域が原産です。現在のところ、亜種があるという根拠になるようなものはありません。

寿命については、野生の場合約10年ほど生きます。人間の管理下では14年ほどまで生きられるようです。

保護活動

1996年に、クオッカは「珍しい、あるいは絶滅に瀕している動物相」のリストに含まれました。このリストに載ったのにはさまざまな理由がありますが、彼らのすみかが大きく狭まり続けていることが挙げられます。クオッカの生息数は毎年次第に減少してきており、自然界にも多くの捕食者がいます。

すみかを失ったことと、それにより食べ物が少なく成ったことが主な問題です。クオッカが食べることのできる食べ物が無くなったために、特定の森林においてはクオッカが消滅してしまったこともわかっています。

2013年に、オーストラリアがこの種の回復に乗り出しました。いくつかのリスクファクターに取り組むことにしたのです。キツネや野生のネコなどの捕食者への対処から温暖化対策、すみかの喪失やさまざまな病気など多岐にわたります。

今でも生息数は下がり続けているようです。現在では成熟した大人のクオッカは7500~15000匹ほどだと推定されています。IUCNもクオッカを「危急種」に指定しています。

このような困難を抱えているにも関わらず、クオッカはいつも笑顔をたたえています。またいつも笑顔であるだけでなく、人を笑顔にする力も持っています。


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