ワニに感染する恐れのある6つのウイルスとは!?

ウイルスの中には、すべての動物に感染するものもあれば、ワニだけに感染するというものもあるのをご存知でしたか?
ワニに感染する恐れのある6つのウイルスとは!?

最後の更新: 26 2月, 2020

ウイルスの中には、特定の種にしか影響しないものと人間を含むさまざまな種に広がるものがあります。この記事では、クロコダイル科のワニに感染する最もよくあるウイルスについて学んでいきたいと思います。また、その中で他の動物や人間にも影響するものもご紹介します。

ワニに感染するウイルス

天然痘ウイルス

このウイルスは人間の天然痘と似ている部分もあり、主に孵化したばかりの赤ちゃんや子どもに感染します。この病気はアメリカ、南アメリカ、南アフリカにおいて見られており、アリゲーター科のワニにも感染します。このウイルスは一般的に水を通してうつっていきます。

症状としては、口の中、頭の皮膚、背中や足に痛みを引き起こします。たいていは1ミリ以下の小さな円状の痛みから始まりますが、ワニの鱗の間に現れてほとんど気づくことができないのです。

さらに、この病気が進行すると痛む場所のサイズが大きくなっていきます。だんだんと円から不規則な形になっていき、鱗を数枚またぐようなかさぶたができるでしょう。その環境にもよりますが、症状が現れない期間がしばらく続いた後に回復が始まり、完全に回復するには6週間かかることもあります。

ワニ クロコダイル ウイルス

病気になることなくこのウイルスを持ち、単独で生活してるアリゲーター科のワニもいると考えられています。

このウイルスに関しては特別な治療法はありません。しかし、快適な環境と十分なエサがあればより回復が早くなります。ワニを飼育する人が予防策をとるとすれば、ストレスを軽減し、清潔感を保ち、生活環境の水がきれいであることなどが挙げられます。

アデノウイルス

この感染症を引き起こすアデノウイルスは、クロコダイル科のワニの赤ちゃんに感染し、主に南アフリカで発見されています。水を通して感染しますが、母親から卵に直接感染したのではないかと思われるケースもあります。症状が発症するまでのウイルスの潜伏期間はおよそ2~8週間と言われています。

また、ウイルスはワニの肝臓や、ときには小腸、膵臓、珍しいケースでは肺などに現れることもあります。

ワニ クロコダイル科 ウイルス

無気力になったり食欲不振になったりすることもあれば、気分が少しすぐれなくなるなどその症状はさまざまです。しかし、その主な問題はウイルスが慢性的な肝炎を引き起こす場合で、最終的に死につながってしまいます。

このウイルスについても知られている治療法がありません。とはいえ、抗生剤を使うことで二次感染を防ぎ、全体的なコンディションを改善することはできます。

ワニ園や動物園、自然保護区などでこのウイルスを予防するにはどうしたらいいのでしょうか?これはすでに述べたウイルスとほとんど同じで、清潔感を高め、きれいな水を与え、ストレスレベルを下げてあげることが大いに関係してきます。

ニューカッスル病

これはパラミクソウイルス科のウイルスによって引き起こされ、鳥類にも感染します。普通はワニには症状は現れませんが、そのせいで死んでしまうものもいます。

検死の結果、ワニの中にニューカッスル病が見つかったというケースがあるのです。どうやらワニ園においてこのウイルスに感染している鶏肉を食べたことでウイルスが体内に入ったようです。

パラミクソウイルスは感染しているフンから広がり、それに触れたワニや鳥類などに感染する恐れがあります。

東部馬脳炎ウイルス

これは名前からもわかるように、馬に発症することが多い病気です。しかし、この病気に対する抗体はクロコダイル科のワニの血液中にも見つかっているので、このリストに加えています。

しかし、クロコダイル科のワニにおいては感染はしても、インフルエンザのような症状が出たというケースは知られていません。

インフルエンザ

動物にインフルエンザを引き起こすウイルスは何でしょうか?それはC型インフルエンザウイルスです。ワニにおけるこの病気は一般的に密度が高すぎることによる高度なストレスや、環境の気温の変動などが関わっています。

ワニ クロコダイル科 ウイルス

インフルエンザによる死亡率がとても高くなるケースもあります。

コロナウイルス

このウイルスは2~3歳のワニに見られ、ワニのストレスレベルが高い状況と関わりがあります。一般的に呼吸器に問題を引き起こし、人間にもその他の動物にも感染します。

ワニの場合は、取り扱いを誤ったり不適切な環境に置くことなどによりこのウイルスに感染する確率が高くなります。


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  • Huchzermeyer F. Crocodiles: biology, husbandry and diseases. Pages: 157-163

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