迫力満点のネコ科動物!オオヤマネコの種類をご紹介

ピンと立った特徴的な耳の先の毛は、オオヤマネコの優れた聴覚をよりよくする役割があります。
迫力満点のネコ科動物!オオヤマネコの種類をご紹介

最後の更新: 06 2月, 2020

「リンクス」としても知られるオオヤマネコには種類が多く、有名なイベリアオオヤマネコも地球の生態系の大部分を支配する動物の一つです。

オオヤマネコは体重が約10~30kgの中型の野生猫です。「ビッグキャット」と呼ばれる猫の中には100㎏を超えるものもあるため、オオヤマネコは中型に分類されます。ピンと立った特徴的な耳の先端の毛は、オオヤマネコの優れた聴覚をよりよくする役割があり、他の野生猫のように木の上でバランスをとったり、獲物を追いかける際に舵として使用したりする必要がないため、オオヤマネコのしっぽは短いのも特徴です。

通常、オオヤマネコはウサギなどの小動物を捕まえますが、大きなオオヤマネコになると鹿などの蹄(ひづめ)のある小動物を捕まえたりもします。また、通常の猫のようにオオヤマネコも群れることはありません

 

イベリアオオヤマネコ

イベリアオオヤマネコは個体数が少なく世界で最も脅威にさらされている猫ですが、最近では脅威レベルが下げられています。しかしながら、最近の調査によると、イベリアオオヤマネコは全世界で500頭しかいないため、いまだ絶滅の危機に瀕しているのが現状なのです。

オオヤマネコ2

出典元:Source: Guillermo Fdez

体重は約13kgの中型の猫ですが、オスの中には20kgにもなるものもいます。イベリアオオヤマネコの主な獲物はウサギ目ですが、ウサギの個体数は出血性ウイルス熱や粘液腫症などの感染症から減少しています。このことがイベリアオオヤマネコが絶滅の危機に追いやっている原因の一つでもあります。

イベリアオオヤマネコのコートはブラウンあるいはグレーで、黒い斑点があります。主にアンダルシア、特にドニャーナとシエラモレナに生息しています。近年ではポルトガル、トレド、エストレマドゥーラでも見つかっています。イベリアオオヤマネコは北半島でも目撃されています。

ウサギが不足していることに加え、イベリアオオヤマネコが絶滅寸前になっている理由には車も関係しています。野生生物専用の道路横断路が必要なのはこのためです。その他にも、イベリアオオヤマネコが直面している危険には密猟や遺伝的多様性の欠如なども含まれます。

レッドリンクス

オオヤマネコ属では一番小さく、イベリアオオヤマネコよりやや小さいのがレッドリンクス。北米大陸全体に生息し、通常の飼い猫の2倍の体重で約8~17kg。

レッドリンクスは大陸全体に生息しているため、絶滅の危険はありませんが、12の亜種のうちいくつかは大きな危険にさらされています。実際、レッドリンクスは世界で最も狩りの対象となっている猫と考えられています。これは狩猟制度が弱いことに起因しています。

レッドリンクスは世界で最も狩りの対象となっている猫と考えられています。

ノーザンボブキャット

ノーザンボブキャットはオオヤマネコの中でも最も大きく、体重は最大で30kgにもなります。ユーラシア大陸の大部分に生息しているため世界最大の生態学的地位を持つ捕食動物の一つで、様々な動物を獲物にします。トルコ・中国・ロシア・ドイツ・チベットなどの国に生息していて、いくつかの亜種も存在します。

ノーザンボブキャットはその体の大きさと個体数から、ラクダ、牛、トナカイなどを捕まえることができます。しかし、他のオオヤマネコのようにウサギが好物でもあります。

個体数が少ないわけではありませんが、密猟により一部の国では存続が危ぶまれています。現在、スペインでは、以前フランスが行ったように、人間との対立を理由にノーザンボブキャットの再導入を拒否しています。400年前からカンタブリア山脈とピレネー山脈に生息していたにも関わらず拒否されているこの現状は、農民とオオカミの間に起こったことに類似しています。

カナダオオヤマネコ

出典元: Keith Williams

カナダオオヤマネコ

カナダオオヤマネコの生息地はレッドリンクスと重なる地域もあります。カナダオオヤマネコは米国北部、カナダ、アラスカといった寒い針葉樹林に生息しているため、被毛は他の種より分厚く、換毛もそれほどしません。明るいグレーの被毛は雪の中でのカモフラージュに長けています。

カナダオオヤマネコは種の中で2番目に大きく、グリズリーベアの子熊をも簡単に捕まえてしまいます。カナダオオヤマネコも他の種と同様に、皮革目的の密猟により個体数が激減しています。

写真出典元:Gabri Solera, Buillermo FdezとKeith Williams


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