なんで世界一信心深い生き物なの?カマキリの生態

実際は信心深いなんてことはないかもしれませんが、カマキリのお祈りするようなポーズからそんなイメージを持ってませんか?
なんで世界一信心深い生き物なの?カマキリの生態

最後の更新: 09 7月, 2020

カマキリは蟷螂目に分類され、バッタなどほかの虫を食べる昆虫です。 英語名はギリシャ語の「予言者」や「占い師」を意味する言葉から来ています。それは、カマキリが世界一信心深い生き物だと信じられていたからです。そして、その体を持ち上げてまるで祈るかのように前脚を合わせる様子から、“praying(お祈りしている) mantis(カマキリ)”という名前が付けられたのです。

このポーズをしているとき、カマキリは頭以外のすべての部位の動きを完全に止め、頭を様々な方向に動かして獲物を探します。獲物が手の届く距離にやってくると、強靭な前脚で素早く捕らえて生きたまま食べてしまいます。こう聞くと信心深いイメージはなくなってしまったかもしれませんね。

世界一信心深い生き物、カマキリ

カマキリには約2450種ほどの種類がおり、そのほとんどが明るい色をしていて環境に溶け込めるような形をしています。多くは緑色や茶色で、周囲の葉や枯れ葉に擬態できるようになっています。 擬態は以下のような2つの理由で重要です。

  • カマキリは通常獲物を追いかけません。その代わり、自分の捕獲範囲に入ってくるのを静かに待ちます。擬態することで、獲物から身を隠しているのです。
  • 虫を捕らえることのできる強靭な前脚を持っているとはいえ、鳥やトカゲに対抗することはできません。動きもゆっくりなため、敵に食べられないように隠れる必要があるのです。
カマキリ 生態

カマキリには羽が二対あります。外側の羽はたいてい細くごわごわしています。擬態したり薄く繊細な後羽を守るための役割を持っています。

形態学

カマキリの頭は三角形で、前方は細く、大きな目がついている後部は横幅が広くなっています。糸のような触覚があり、口を使って咀嚼することができます。体長は約7センチ~18センチほどです。

胸郭は柔軟な関節で3つの部位に分けられています。これによって様々な動きが可能になり、特に頭と前脚を自由に動かすことにより獲物にこっそり近寄ったり獲物を捕らえたりする上で役立っています。

カマキリの最も目立つ特徴はやはり前脚の構造でしょう。これは獲物を捕らえるのに適しており、表面がとげとげしているので獲物をしっかりと捕まえておくことができるのです。

食性

カマキリは主に昆虫などの無脊椎動物を食べます。しかし、体が大きい種の中にはカエルや鳥、トカゲなどすら食べてしまうものもいます。いかなる場合も、生きたまま獲物を食べます。

たいていは動かずにじっとして獲物が近づくのを待つか、ゆっくりと見つからないように獲物に近寄ります。また、獲物を追うこともあり、飛んでいる最中の虫を捕らえることもあるのです。

宿敵

カマキリは素晴らしいハンターですが、無敵という訳ではありません。クモやカエル、トカゲ、ヘビ、鳥、コウモリなど、カマキリを食べる生き物もたくさんいるのです。

脅威を感じると、カマキリはまっすぐに状態を起こし、前脚と羽を広げます。大きく羽を広げることで自分を大きく危険に見せているのです。中には後羽に明るい色や模様を持っていて、この効果を高めることができる種もいます。それでも脅威を感じている場合には、捕食者に襲い掛かります。

カマキリ 生態

信心深さとは程遠い繁殖方法

メスのカマキリはとても食欲旺盛なので、オスは食べられてしまわないよう気を付けなければなりません。場合によっては、メスに近づくために30センチの距離を1時間以上かけて動くことさえあるのです。ゆっくりと近づいたら、メスに飛びついて交尾をします。

オスはメスの胸郭と羽に前脚を使ってしがみつき、メスのお腹の先近くにある特別な部屋の中に、自分のお腹を丸めて精子を注ぎ込みます。

カマキリ 生態

メスがオスを気に入らなかったり、自分に近寄ってきているのに気づいた場合、メスはオスを頭から食べてしまいます。頭を食べられてしまっても、オスは交尾を続けることができます。これは、交尾がおなかの中にある神経系によってコントロールされているからです。これは全てのカマキリにおいて起こることで、性的共食いとして知られているものです。

さいごに

動物の多くの種がいい意味でも悪い意味でも見た目で判断することができない習性を持っています。カマキリの場合は、最も信心深い生き物のような見た目をしているとはいえ、大人しいとは言えません。昆虫にとっては大きな脅威であり、とても不気味だとさえ感じる方も多いかもしれません。

でも、自然の美しさはその驚きの中にあるとは思いませんか?


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