犬の乳腺腫瘍を予防するにはどうしたらいいの?

乳腺腫瘍は女性ホルモンと関連していていますが、メス犬だけが発症する病気ではありません。
犬の乳腺腫瘍を予防するにはどうしたらいいの?

最後の更新: 04 1月, 2019

犬の乳腺腫瘍とは、乳腺の細胞増殖が加速し、制御不能になることでできる異常な腫瘍のことです。乳腺腫瘍は女性ホルモンと関連していていますが、メス犬だけが発症する病気ではありません。

まず、腫瘍と癌は同じものではないということをしっかりと理解しましょう。良性で害を及ぼさない、あるいは影響があっても局所的で限定的な腫瘍もあります。このような腫瘍は通常、体に何の害をもたらさずに摘出されます。

悪性腫瘍は癌の診断と関連しており、侵攻性が高く、体中の他の組織や器官に広がる可能性があります。そして、“転移”として知られる現象をを引き起こします。

犬の乳腺腫瘍を防ぐには

体のあらゆる部位で異常な腫瘍ができる理由は今も明らかになっていません。特定の犬種の遺伝的素因を示唆する仮定はありますが、どれも確認はされていません。

乳腺腫瘍

そのため、残念ながら犬の乳腺腫瘍を防ぐ対策は必ずしも具体的ではありません。しかし、対策には犬の免疫力を強化し、健康を維持する一連の習慣や予防的な行動が含まれています。腫瘍を発症するリスクを減らし、犬の健康を維持するためのいくつかのヒントを次にご紹介します。

予防医学と定期健診

種、品種、年齢に関係なく、すべてのペットには予防薬が必要です。さらに、動物病院には定期的に行き、予防接種や虫下しはスケジュール通りに行うことをおすすめします。また、以前に病気にかかったことのある犬は定期健診を行いましょう。獣医師はあなたの犬の健康状態を把握するために、必要な分析を行うことでしょう。

バランスの取れた食事と適切な体重

最適な体重を保つことは、どの犬種にも重要です。肥満は高血圧や糖尿病といった、肥満に関連した無数の慢性疾患を引き起こします。それだけでなく、心臓の悪化を加速させ、筋肉や骨の変性リスクを高めます。そこで、体重管理に最も大きな影響を与える要因はバランスの取れた食事と考えられています。犬の食事の基礎は、良質な食品を選び、人間の食べ物、脂肪や調味料を多く含む食事を避けることです。

また、シニア犬には特別な注意が必要です。7歳を境に、体重の増加、代謝の低下、脂肪細胞の増加、筋肉量の低下などが起きます。このため、食事に含まれる炭水化物と脂質を減らし、高品質のタンパク質を多く与えることが大切です。

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定期的な運動

運動はバランスの取れた食事を補足し、活動的で健康的な日常生活を可能にします。心臓病と診断された犬は、適度に休憩しながら短い散歩に行きましょう。

散歩に関しては、健康的な若い犬であれば、少なくとも毎日30分の散歩が必要です。ただし、運動量を制限する必要のある病気と診断された犬は例外です。

去勢と避妊:犬の乳腺腫瘍を予防する鍵

乳腺腫瘍にかかるメス犬の約9割は、避妊手術を受けていません。さらに、避妊手術を受けていない犬は、受けた犬と比較して子宮や卵巣に病気を発症しやすいということを忘れてはいけません。また、発情期を迎えた際、避妊手術を受けていることでホルモンバランスや行動の変化を和らげることができます。メス犬は穏やかになり、オス犬を引き寄せることがなくなり脱走もしなくなります。

オス犬では、縄張りのマーキングを行う際の攻撃的な態度が去勢手術によって緩和されます。さらに、しつけがしやすくなり、他のオス犬との関わりもスムーズになるでしょう。不妊手術を行うベストタイミングはいつなのでしょうか?それは、犬の体型や年齢によって変わってきます。

専門家によると、小型犬や身体の小さなメス犬であれば生後6~9ヶ月で避妊手術を行うことが推奨されています。こうすることで、殆どの子宮関連の疾患を予防し、乳腺腫瘍のリスクを軽減させることができます。

犬

オス犬に関しては、乳腺腫瘍や前立腺の疾患を予防するためには生後1年以内に去勢手術を行うと良いでしょう。オス犬や中型のメス犬であれば、生後18ヶ月になるまで待つと良いでしょう。それ以前の不妊手術は骨肉腫を引き起こす可能性があります。

最後に、犬の乳腺腫瘍は通常、静かに発症し進行することを覚えておきましょう。そして、愛犬の行動に変化がないか注意しましょう。完治の可能性を高めるには、早期診断が鍵です。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。