【獣医免疫学ってなに?】病気の予防と治療について

21 7月, 2020
獣医免疫学は、ウイルス、細菌、寄生虫などの疾患に関する学問領域を指します。また、動物や人間に感染する可能性のある動物の病気についても関与しています。
 

「獣医免疫学」という言葉を聞くと、ペットのアレルギーのことを思い浮かべるかもしれません。または関節炎のようなものをなんとなく考えるかもしれません。実のところ、この研究分野は動物の健康に関するあらゆる領域に関与しており、特に感染症や自己免疫病の診断、予防、治療、コントロールに関わるものです。

そしてこれは家庭のペットに限ったものではありません。この分野で働く獣医が関与するのは家畜、野生動物、そして科学的研究に使われる動物にまで及びます。

現在、「免疫系」、「ワクチン」、「有病率」などといった言葉はどこでもよく聞かれます。しかし多くの人が知らないのは、これに関して獣医学においても多くの貢献がなされてきたということです。今日は、この獣医免疫学について詳しく見ていきます。

動物免疫学

ワクチンは獣医免疫学の産物

動物の有病率はその種だけでなく人間にも脅威となります。ワクチンの発見により、さまざまな動物の病気に対処できるようになりました。最もわかりやすい例はインフルエンザA型や豚インフルエンザなど、動物の病気で人間にも感染するものでしょう。

ワクチンを効果的に使うためには、ワクチンの質や打ち方などいくつか気を付けなければならない要素があります。また、例えば血中に抗体が確認できるようになるかどうかなど、ワクチンが正しく働くかもチェックすることが大切です。

ですので、獣医免疫学ではこれらの問題への関与、新しいワクチンの開発、すでにある免疫への免疫賦活剤の効果などを扱っているのです。

獣医免疫学

ペットや家畜と獣医免疫学

動物の免疫系は、体を守るためにさまざまなメカニズムを使っています。まず自然免疫系があり、これは感染にさらされる前に捨てに持っているもの全てを指します。これには以下のようなものが含まれます。

  • 肌や粘膜などの身体のバリア
 

そして、適応免疫系があり、これは感染にさらされることで誘発されたり刺激されたりするものです。これは特定の感染症に対する反応です。ですので、感染症から体を守る上でワクチンが有効になるのです。

ワクチンは感染源を弱めたものや不活性化したものを免疫系にさらします。すると、動物の体は感染しなくてもその感染症を認識し、それと闘うことができるようになるのです。

診断という分野に関しては、獣医免疫学ではウイルスや細菌、寄生虫を血清学を使って発見することに関わっています。また、新しい診断方法の確立をしたり、抗生剤への敏感さなどを測るのに、研究室でのプロセスを使うことを目的としています。

獣医免疫学

免疫学は動物の一生に欠かせないもの

免疫系の小さな違いが幼い命の静止を分ける可能性もあります。例えば、反芻動物は抗体を持たずに生まれてきます。これは、母親の血液から胎盤を通して赤ちゃんに受け継がれないからです。その結果、母乳の中に含まれる初乳からIgAタイプの抗体を得なければなりません。

免疫疾患

ときに、免疫反応自体が悪い影響を与えることもあります。アレルギーがその典型的な例です。他にも関節炎、ヤギ関節炎脳炎、犬ジステンパーなどの感染症にも関わります。

現代のバイオテクノロジーと免疫系への理解が深まったことで、とても効果のあるワクチンが開発されてきました。そして、コロナウイルスのパンデミックでわかったように、野生の中の感染源を発見したり管理したりすることが、将来のウイルスのアウトブレイクを管理するためには欠かせないのです。

 
  • Charley, B. (1996). The immunology of domestic animals: its present and future. Veterinary immunology and immunopathology, 54(1-4), 3-6.
  • Schmitt, B., & Henderson, L. (2005). Diagnostic tools for animal diseases. Revue scientifique et technique-Office international des épizooties, 24(1), 243.