犬の声帯除去手術の危険性
犬や猫は話せませんが、鳴くことでコミュニケーションをとることができます。声帯除去手術による影響は非常に深刻で、これに関する法律は現在全く機能していないと言ってもいいでしょう。
犬や猫の鳴き声はご近所にも迷惑なため、声帯を切除してしまおうと考える飼い主が多くいます。しかし、あなたはペットの声帯除去手術の危険性について本当にご存知でしょうか?
声帯除去手術をしてはいけない理由
動物は話すことができないため、声帯は必要ないと思っている人は多いのです。それは、声帯から発せられる犬や猫の鳴き声は、度が過ぎるととても迷惑だからです。
しかし、動物が発する音というのは動物のコミュニケーションであることを忘れてはいけません。動物にとっては会話しているのと同じと言ってもいいでしょう。しかし、残念なことに、犬の鳴き声がうるさいという苦情を受け、多くの裁判官は声帯除去手術を命じてきたのでした。
実際にあった裁判事例
これは、チベタン・マスティフが守る家畜の飼育で生計を立てている カップルの実際の裁判事例です。そのカップルは羊で生計を立てているため、チベタン・マスティフを数匹飼い、牧羊犬として育てました。牧羊犬は外で特に制限もなく暮らしているため頻繁に鳴き、その鳴き声はご近所さんを悩ませるほどのものになってしまいました。
そこで、ご近所の夫婦は住んでいる郡に相談したのです。郡はマスティフの鳴き声は都市の規制に違反し、飼い主は更に子犬を増やし続けているため、この鳴き声が続くと判断しました。
カップルは、飼っている犬は大切な資産である羊を管理する従業員であり、この犬のおかげで生計を立てられると主張し訴えを上訴しましたが、この問題は裁判所行きとなり、苦情は続いたのでした。
さらに近隣住民は、飼い主は言い訳ばかりで問題を解決する対策を全く立てていないと主張したのです。
そして、この事件は騒音の「被害者」とみなされた夫婦に支払われる238,000ドルの罰金と犬の声帯除去手術という結果になったのです。
動物愛護法は?
動物愛好家として気になるのは、法律はこのような動物を本当に守っているかということです。カップルは、もし犬が家畜を守ることができないのであれば、彼女は銃を買わなくてはならなくなると述べました。そして、銃のリスクは誰もが知っている通り非常に大きいです。
2014年メキシコ犬連盟は議会に新たな議案を提出し、動物の鳴き声が「騒音」にならないよう声帯切除手術を求めました。
案の定、この議案はソーシャルメディアで炎上し、声帯切除は動物虐待の何ものでもないと人々は主張しました。また、そのような残虐行為を裁判官や法を扱う人が許すなどもってのほかと声を大にしたのでした。
現時点では、動物権利のためのこの戦いの軍配は裁判官にあります。実際、裁判官の多くは先に述べた事例と同様の判決を下しています。しかし、動物保護団体、および動物福祉団体は諦めることなく、今日も動物権利のために戦い続けているのです。
動物の声帯除去手術のデメリット
声帯除去手術は大切なペットに大きなダメージをもたらすため、実のところ存在すらしてはいけない施術なのです。
人間も動物も体に要らないものはありません。全ての臓器には機能があるため、体の一部を取り除くことは切断と同じことなのです。法律関係者はここのところを理解する必要があります。
ペットの声帯除去手術の悪影響を以下にまとめました。
- コミュニケーションが取れなくなるため、うつ病になる可能性
- 術後の感染症の可能性
- 他の犬から身を守るために吠えることが出来なくなるため、ビクビクした神経質な犬になり、他の犬に威圧される可能性
- 攻撃的行動。声が使えなくなることで、噛みついて自分に注意を向けさせるようになるかもしれません。
- トラウマを抱えてしまう。不要な手術であるため動物は大きなショックを受け、うつ状態になることがあります。また、不安症になる可能性もあるのです。
動物愛好家としては、1日も早くこのような訴訟に勝てることを願うばかりですが、現時点で出来ることは、犬を吠えさせないようにするノウハウを得て、このような問題が起きないようにすることなのかもしれません。
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