1匹の犬を救う為に命をかけた青年

1匹の犬を救う為に命をかけた青年

最後の更新: 18 9月, 2018

ペットを誘拐したり、ドッグファイトを行う 人たちがいる一方で、犬を助けるために命をかける人々もいると分かったのは同じ人間として嬉しいことです。今日は、ペルーの一部で発生した洪水や雪崩の中で起きたある物語をご紹介したいと思います。

どうして青年は雪崩から犬を救うことになったのか

リマの南側にある沿岸都市、プンタ・ネグラでは、 とある1匹のワンちゃんがフアイコロロ川とリマク川の水流に飲まれていました。可哀想なことに、その子は雪崩によって増水した川に引きずり込まれてしまったのです。

知らない人のために備考しますと、雪崩というのは丘や山に積もった雪が突然崩れる現象で、その地域では雪崩を「フアイコ(Huaico)」という地方独特のスペイン語で呼び、ケチュアに住む人々が最も恐れている自然災害です。

さて、そんな何が起こっているのか分からない状況で、1人の青年が脇目も振らず増水した濁流の中に飛び込みました。

そして苦労の末、その青年は川の端で怯えているワンちゃんの元にたどり着いたのです。すぐさま青年は犬を抱き上げ、安全な陸地へと運び出しました。一連の様子を見守っていた人々の祝福の中、この英雄的行いは成功に終わったのです。

これは雪崩に巻き込まれたワンちゃんの命を助けるため、自らの命をかけたペルー人青年のお話です。

犬を死地から救った名もなきヒーロー

実は青年が飛び込む前から、レスキューチームがそのワンちゃんの救出を試みていました。しかし完全に状況に怯えてしまっているワンちゃんは、濁流になされるがままにどんどん遠くへ行ってしまい、救出は難航していました。

しかし、そこに例の名もなきヒーローが突然現れました彼は見るからに、自らの命を危険に晒すなどのことは頭に無いようでした。そして、ついに濁流からワンちゃんを救い出すことに成功したのです。

この様子は地方のテレビ局でも報じられ、アンデアン地域に甚大に被害をもたらしたこの災害の中の、一筋の光として映りました。

動物:それは災害における声なき被災者

2017年の1月中旬ごろ、コリアンテ・デル・ニーニョ・コステロ(Corriente del Nino Costero)と呼ばれる現象がペルーとエクアドルを襲いました。特に、ペルーの北部や中部では、史上最悪レベルの大雨や雪崩、洪水などに見舞われたのです。

3月の終わりごろには、すでに死者98人、そして述べ90万人が農業や家畜に甚大な被害を受けました。

しかし、自然災害や紛争の被害を伝える統計には、いつも見えざる被災者がいるのです。そう、それは動物です。これこそがペルーの青年の話から学び、私たちが訴えたいことの一つなのです。

ペットと地震

動物王国では、悲劇の中に置き去りにされた動物たちには常にスポットライトを当てるべきだと信じています。例えば、以前私たちはエクアドルやイタリアで起きた地震についてのお話を紹介しました。

  • 家が全開してもなお、そこから立ち退くことを拒否した犬
  • 何日間も瓦礫の下に埋まっていたワンちゃんが、ついに救出され生還
  • 地震で亡くなった飼い主の棺桶から、離れようとしない犬

また動物王国では行き場がなくなったり、怪我をしたり、道に彷徨っている動物を助けるために努力している団体や組織にもスポットライトを当ててきました。

他にも注目に値するヒーロー

動物を助けるためには多少のリスクも覚悟している人たちを取り上げることも良いことだと思っています。しかも中には自分を命の危険に晒してまで、助け出そうとする人もいるのです。今回のペルーの青年のように、他にも勇敢な人たちはたくさんいます。例えば

  • 地雷原の金網に引っかかっていた犬を助けるために、片足を無くしたイタリア人兵士
  • 犬を助けるために身も凍る池の中に飛び込んだイギリス人女性。ワンちゃんは、池の上の氷を歩いていたところ、その氷が割れて落ちてしまったようです。
  • 車内で熱中症で死にかけている犬を救うために、車の窓を叩き割ることも躊躇わなかった人々。そして動物が虐待されているのを目にして、フェンスを飛び越えて助けに行った人たち。

他にも、逆に犬や猫たちが色々な方法で人間を助けてくれたお話も紹介しています。

これからもそんなお話を紹介していきますので、ぜひご愛読ください!


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。