知っておきたい犬の強迫性障害と躁病(そうびょう)

犬の強迫性障害は自傷行為を引き起こす可能性があるため想像以上に深刻なのです。
知っておきたい犬の強迫性障害と躁病(そうびょう)

最後の更新: 06 8月, 2019

犬の強迫性障害と躁病(そうびょう)は、最も頻繁に起こる行動障害の1つです。犬が自分の感情を制御する能力を失うという症状が見られ、その代わりに強迫的な行動として感情が表面化します。

この制御不能な状態は通常一時的ですが、もっと深刻な場合には一度に数時間続くこともあります。これがまさに犬の身体的・精神的健康を危険にさらす理由です。そして、追い打ちをかけるように、自傷行為に出てしまうこともあるのです。このような発作が起きると、犬は必死に動き回るばかりに偶発的に怪我をしてしまうことがあります。そして、痛みを感じるまで止めようとしないのです。

強迫性障害と診断される犬の大半はしっぽを強迫的に舐めます。その他には自分の体の複数部を激しく噛んだり、ぐるぐる回りながら自分のしっぽを繰り返し追いかけたりする犬もいます。

 

しっぽを噛む犬 犬 強迫性障害 躁病 

 

犬の強迫性障害と躁病の原因

犬の強迫性障害は通常、身体的・精神的虐待と関連しています。そのため、飼育放棄された犬や野良犬にしばしば発症します。しかし、強迫性障害は過度な不安、刺激不足、長期に渡る収監でも起こることがあります。さらに、激しい痛みを感じている犬もある種の強迫的な行動を起こすことがあります。

多くの研究は、犬の感覚機能に影響を与える病気が犬の強迫性障害及び躁病を引き起こす可能性があることを証明しています。

犬の強迫性障害を早期に発見する方法

犬の強迫性障害と躁病の診断は、自傷行為を防ぐために重要です。そのため、飼い主は犬の強迫的な行動を早くにキャッチすることが必要になってきます。

一般的に犬の強迫性障害の最初の症状は、「犬らしい行動」を激しくしたものとして見られます。ただ、繰り返し行う行動の中には犬には本来備わっている性質であるものもあることを忘れてはいけません。しかし、病気となるとこの行動はエスカレートし健康を危険にさらすことになるのです。

もし犬が過度に吠える、地面を掘る、舐める、自分のしっぽを追いかける、体を掻くことがあれば、すぐに動物病院に連れて行きましょう。強迫性障害の犬は、しばしば分離不安の症状も呈することがあります。たとえば、家具、服、靴を噛む(あるいは壊す)、通常はしないところにオシッコやウンチをするなどです。

重度の強迫性障害と躁病の症状

より深刻な場合、重度になるまで強迫性障害と診断されないと犬には通常、次のような症状が見られます

  • 体の痛みや怪我(主に脚としっぽ)
  • 痛む部位や傷を気も狂わんばかりに舐める・噛む
  • 脚やしっぽから出血(通常、自傷行為によってできる)
  • 脱毛や毛並みの変化
  • 普段の行動の変化(攻撃的になる、驚く、隠れる、一人になりたがるなど)
  • 人や他の動物との接触を避ける

 

犬の強迫性障害と躁病の治療法

強迫性障害は明白な形で身体化しますが、犬の強迫性障害と躁病には心理的な要因があります。そのため、治療の際には犬の体だけでなく心にも適度な注意を注ぐことが必要になってきます。

強迫性障害を抱える犬は、感情的なバランスの崩れが行動に反映されているということを理解することが重要です。回復するには飼い主が忍耐強く見守り、尽くすことが求められます。飼い主は犬の環境だけでなく、ライフスタイルを変えることに伴う覚悟が必要です。

強迫性障害の治療法 犬 強迫性障害 躁病 

 

強迫性障害の犬の多くには、自信をつけるために訓練と社会化を行います。経験豊かな専門家に訓練をお願いするといいでしょう。

また、既に犬が怪我をしてしまった場合、傷口を消毒し処置することが大切です。傷の場所によっては抗生物質や他のお薬が処方されることもあるでしょう。

当たり前のようですが、犬に治療を施すことができる唯一の専門家は獣医です。犬の健康に必然的に影響を与えるこのような状況は、細心の注意を払って対処する必要があります。

 

犬の強迫性障害と躁病の予防策は?

犬の強迫性障害と躁病は次のような効果的な方法で予防することができます。

  • 犬に健康的でポジティブな環境を与える
  • 「罰」として身体的・感情的な暴力を絶対に振るわない
  • 次のような適切な予防策をとる。定期健診、虫下し、予防接種など。
  • バランスの取れた食事を与える。カロリーの過剰摂取やエネルギーブースターは控える。
  • 定期的に運動させる。緊張、ストレス、不安を軽減するために運動は必要です。
  • できれば生後8ヶ月の間に適切な社会化を行う。

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。