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【コンゴウインコ】カリスマ的な人気をもつ知能の高い鳥とは?
見た目が美しいだけでなく、コンゴウインコには驚くべき知能を持っているのです。悲しいことに、世界中で最も絶滅の危機に瀕している種の一つなのです。

コンゴウインコは、オウムやインコ、オカメインコなども属するインコ科の仲間です。インコ科は、おそらく地球上で最もカリスマ的で人気の高い鳥の種族でしょう。
そのカリスマ性と人に見せる強い愛情は、主に彼らの持つ高い知能に関係があります。この鳥が問題を解決したり経験から学んだりすることができるということは、よく知られている事実です。さらに、自分の得た知識を仲間の鳥たちと共有することができるというのも驚くべきことです。
コンゴウインコの身体的特徴
この鳥は特徴的なフックのような形のくちばしを持っているので、見ればすぐにわかる鳥の仲間です。カラフルな羽根を持っていることでも目立つ存在です。緑の地に、赤、黄色、青、紫、茶色などの色が混じっています。このような明るい色をしていることで、生息している木の花や葉にうまく溶け込むことができているのです。
インコ科の鳥の特徴には、その発声と人間の声をまねる能力があります。この能力があるため、人の気持ちがわかる愛情深い動物としてペットとしての人気も高いのです。
インコ科の仲間の足の指には、前方を向いている2本と、後方を向いている2本があります。これによって霊長類と似た方法で道具を操作することもできます。
生物学と行動学
コンゴウインコの発達は遅く、一般的に4歳になって性的に成熟するまで巣を離れません。この長い期間、親鳥はそれ以上卵を産みません。こういった行動様式により、コンゴウインコのヒナは親からたくさんのことを学ぶのです。
さらに、25羽~50羽もの鳥からなる複雑な社会構造の中で生活しています。これは捕食者から自分たちを守る上でとても効果的な戦略なのです。また、生涯を通して一夫一妻制を通します。
コンゴウインコは体に対して大きな頭を持っています。つまり、複雑な認知機能の発達に関わる大切な要件がすべてそろっているということです。
野生のコンゴウインコは平均で40~50歳まで生きることができます。また、人間の管理下で上手にお世話をすれば、70歳くらいまで生きることも可能なのです。
カラフルな外見と知性
オウム類は鳥の中でも原始的な種と考えられてきました。脳と体の比率が、大型のサルと同等なのです。
オウムの仲間の知能は音をまねる能力以外からもわかります。ケアオウム(学名Nestor notabilis)には、人間に近い大型の哺乳類と同じように道具を使うことができるのです。
コンゴウインコの知能についての科学者の意見は?
最近、スペインのテネリフェにある“Loro Parque(オウム公園)”である研究が行われました。この研究グループは、この鳥の複雑な認知機能の進化について研究しています。
彼らのラボには、現在ヒワコンゴウインコ(学名Ara ambiguus)、アオキコンゴウインコ(学名Ara glaucogularis)、アカミミコンゴウインコ(学名ra rubrogenys)、ヤマヒメコンゴウインコ(学名Primolius couloni)が飼育されています。
このラボからは一連の比較研究が出版されており、この鳥の実利的な意思決定に関するレポートなどが際立っています。
意思決定とは、異なるメリットのある選択肢について考え、最もメリットの大きいものを選ぶという能力のことです。
ときには、すぐに満足を得られないという状況もあります。そしてこの能力は認知的にチャレンジングなものだと考えられています。自分の衝動を抑えなければならないだけでなく、待つ価値があるかどうか判断するためには、期待できる結果を予測しなければならないからです。
コンゴウインコの意思決定とは
この実験は、4種のコンゴウインコにトークンを交換するというタスクを与えるというものでした。まず、価値の低い、中くらい、高い3つの食べ物を得るための3種類のトークンを交換できるように鳥を特訓しました。鳥たちはみな、その価値によって決められた順序でトークンを交換できるようになりました。
のちに、低い価値の食べ物と、より質の高い食べ物に交換できるトークンとを選ばなければならない状況に鳥たちを立たせます。実験ではすべての種が実利的な決断をしましたが、大きなコンゴウインコの種だけが極めて重要なテストの一つにおいて他をしのぐことができたのです。
素晴らしい鳥であることの代償
彼らのこの素晴らしい知能のために、人はおそらくこの驚くべき鳥に惹かれれるのでしょう。ですが悲しいことに、ペットとして飼われていることと、自然の住処の破壊や変化に押され、この種は絶滅のリスクが高まっている鳥の仲間の一つになってしまっているのです。
実際、コンゴウインコの種の約半分がすでに絶滅してしまっています。コンゴウインコが属するAra属では13の種が認められていますが、そのうちの6種はすでに絶滅してしまいました。この鳥のペットとしての違法取引が続くようなら、今後10年間で野生のコンゴウインコはいなくなってしまうだろうと考えられているのです。