小さな飼い主に寄り添い続けたバセットハウンドの話

小さな飼い主に寄り添い続けたバセットハウンドの話

最後の更新: 05 5月, 2018

忠誠心は間違いなく犬が持つ特筆すべき特徴で、そんな犬の忠誠心がよく表れているお話は数多くあります。その一つに、とあるバセットハウンドが生後六ヶ月の飼い主に無償の愛を見せた話があります。

バセットハウンドが家に来る

ジョンとメアリーは犬好きで、結婚すると同時に、美しいバセットハウンドの子犬を飼い、人生を共に過ごす事に決めました。その時はまだ、子どもを作るつもりはありませんでした。彼らはその小さな愛犬を新しい家族に迎え入れ、新婚生活を楽しみたかったのです。

その美しいバセットハウンドはそんな人間の両親に育てられ、とても幸せに成長しました。そして、日が経つごとに彼らの絆はより深まっていきました。何年かして、メアリーは重要な事を家族に告げました。ベビーカーが必要だ、と。彼女は妊娠していたのです!

その愛犬(名前が分からないので、バセットと呼ぶ事にしましょう)は、なぜ飼い主達が泣きながら笑っているのか分かりませんでしたが、なぜだか飛び跳ねる足を抑えられませんでした。

それから間も無く、バセットがメアリーのお腹が大きくなるなるのを目にしました。赤ちゃんが大きくなればなるほど、バセットはメアリーに優しくなりました。彼はメアリーに擦り寄り、何が起こっているのか理解しようとメアリーのお腹をくんくんしていました。

数ヶ月が経ったある日、病院に行ったメアリーは泣きながら帰宅しました。妊娠に問題があると、医者に告げられたのです。全ての事が、彼らの赤ちゃんが元気に生まれないという事を暗示しているように思えました。

その時もバセットは遊びたかったのですが、すぐにジョンとメアリーが深い悲しみの中で泣いている事に気づきました。言うまでも無く、バセットは今は遊んでいられる状況ではないと悟りました。

しかし、彼らの希望が消えることはありませんでした。彼らはメアリーの妊娠中も何一つ変わらない、ごく普通の日々を送り続けました。ノラと名付けられる小さく美しい赤ちゃんの顔を見る、その日が来るまで。

ノラと共に過ごした時間

赤ちゃんに寄り添う愛犬

全てうまく行ったようです。ノラは見事な赤ちゃんでした。ついに、家族が増えたのです!しかし医者はジョンとメアリーに育児には細心の注意を払うように念を押しました。

バセットはノラが大好きでした。彼はベビーベッドで寝ている彼女の側から片時も離れようとしませんでした、何と言っても新しい友達が出来たのですから。全ては順調かのように思えました。が、ノラが生後五ヶ月になった頃、彼女は意識を失い病院に緊急搬送されました。そこでノラは脳卒中と診断されました。

バセットは一緒に病院に行きました。彼は飼い主も命令にも関わらず家に残る事を拒み、車に乗り込みました。ジョンとメアリーの頭の中には一つの疑問が渦巻いていました。なんでこんな小さな赤ちゃんが脳卒中に?

医者からも詳細な説明はありませんでしたが、一つだけ確かな事がありました。ノラの脳は大きな損傷を受けていた、そしてそれは医者達が意図的にノラを昏睡状態にさせて置く必要がある程だったという事です。それらは両親にとっては最悪の知らせです、彼らに出来ることはただ待つことのみでした。

バセットは覚悟を決め、自分の家族と共に耐え抜こうとしていました。彼はノラのベッドに横になり、彼女のこの世を去るまで、側から離れませんでした。

その後分かったこと

その後、ノラが脳高血圧症という不治の病を患っていた事が発覚しました。医者達による懸命な努力も虚しく、一つの小さな命は終わりを告げました。

脳高血圧症では肺から心臓に血液を運ぶ動脈が大きく萎縮する事があります。この萎縮が極度の場合、血液が血管内に詰まり、人を死に追いやるレベルの高血圧を生み出します。

これは、とても悲しい気持ちになってしまう物語ですが、それと同時にバセットの誠実さ、忠誠心、友情、そして小さなノラとその家族への無償の愛が示すように、犬たちは(もしかすると人間自身よりも)私たち人間にとっての最高の友である事も表しています。

あなたがどんな状況にあっても、あなたの愛犬は決してあなたを見捨てたりしません。このふさふさ毛並みのバセットが見せた沢山の愛のように、あなたもあなたの愛犬の愛に驚く日が来るはずです。

画像出典:www.abc.es


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。