犬はハグが嫌いって知ってました?
ぬいぐるみのように可愛いペットたち(特に小型犬)ですから、ハグしたくなる気持ちも十分に理解できます。しかしそれは人間側からの一方的な願望であり、犬たち自身は抱きつかれることを嫌っているということが、最新の研究で明らかにされました。それがなぜなのかあなたは知ってますか?
「ハグが嫌い」という研究結果
この研究は犬たちが、ハグされているときにどんな感情を抱くかを調査するために、Psychology Todayが実施したものです。飼い主にハグされる飼い犬を250組撮影し、その様子を観察しました。すると、犬たちがボディランゲージを用いてこのときの気持ちを表現しているということが分かったのです。
ボディランゲージの重要性
犬は人間のように言葉を用いて喋ることはできません。そこで別のコミュニケーション方法として身に着けたのが、ボディランゲージだったのです。彼らは表情や動きで感情を表現するため、飼い犬がストレスを感じていたり不安に苛まれていたりすることも、読み取ってあげることができるんですよ。以下に、犬たちの負の感情を表すジェスチャーをいくつか紹介します。
耳を後ろに向ける
犬が耳を後ろに向けたら、それは緊張・恐怖などを表します。自分の嫌いな何か、誰かが周りにあることを示しているのです。
舌を出す
耳を後ろに向けると同時に舌も出してしまっているなら、間違いなくストレスを感じています。ひとりになれる時間を作ってあげることが得策でしょう。
ブルブルする
ハグ中に犬が震えるようなら、それは怖がっている、もしくは不快であることを伝えようとしているのでしょう。飼い主が何をしているか理解できていないため、止めて欲しいと言っているのです。
丸くなる
呼んでいるのに部屋の角で丸くなって、視界の隅だけであなたを捉えているような様子なら、それは「自分のスペース・時間が欲しい」という意味です。ハグなんてもってのほかです。
体をよじる
あなたの腕の中にいてもいなくても、身をよじるということは止めて欲しいということです。そっとしておいてあげましょう。
この研究で分かったこと
ボディランゲージの意味は理解できたかと思いますが、ではなぜこの調査で犬たちがハグを嫌いだと分かったのでしょう。実は、撮影した写真を見てみると、ハグされている間犬たちは、上で示したジェスチャーをしているということが判明したのです。
実験に参加した犬のうち81.6%が、不安・恐怖・緊張を、ハグによって感じているそうです。
ハグを「不快」だと感じた子は7.6%(犬種、飼い主と過ごした時間の多少、前の飼い主への信頼感などが結果に影響を与えることもあります)いました。
一方で10%ほどの犬たちはハグされても、態度を変えることはありませんでした。
このパーセンテージを見ても、多くの犬がハグという行為を嫌っているということが分かると思います。この調査を行ったスタンリー・コレン氏は、
「イヌという動物はもともと走ることを得意としています。その身体・脳・本能・欲望全てが走る、動き回るためにつくられているのです。抱きつかれると犬たちは動きにくくなり、まるで何かに閉じ込められているように感じます。いわば彼らの仕事である走ること、動き回ることができなくなってしまうため、犬はハグを嫌う傾向にあるのです。」
と解説しています。
犬のことが大好きなら、抱きついてはいけません! 皮肉なものですね。
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