カモの基本的なお世話について
カモをちゃんと育てるには、それなりの知識や努力が必要となります。お世話の方法も犬や猫とは異なり、カモに合った方法で行わないといけないのです。でも、カモに合ったお世話って一体何でしょう?この記事でご紹介したいと思います。
カモ:身体的特徴と行動
「カモ」とはカモ科に属する鳥類全てを指す言葉ですが、丸っこい体に平べったいクチバシ、そして短い足でぎこちなく歩くという点はおおよそ共通しています。種類によって住む場所や寿命は異なりますが、寿命に関してはおおよそ10年から15年ぐらいが一般的です。
カモは水辺で生活する動物ですので、本能的に泳ぐのがとても得意です。泳いでるときの姿は本当にエレガントで、落ち着いていて安心感を与えてくれますが、一度陸に上がると、ペチペチとぎこちなく歩くというギャップも持ち合わせています。
カモは本来大きな群れの中でパートナーを作って生活する社会的な動物です。そのフレンドリーでお気楽な生活は、多くの人の心を鷲掴みにし、昨今ではペットにする人も増えてきています。
カモの基本的なお世話方法:良い食生活を
カモのお世話で最も基本的な要素が食生活です。カモという種が必要としている栄養をしっかりと補給できるような食事を用意してあげましょう。
とはいえ、基本的にカモは何でも食べる事ができ、食事にも豊富なバリエーションを求めます。野生のカモの食事の70%程度がフルーツや野菜、種子、豆や穀物などの食べ物が占めており、残りの30%程度はタンパク質源として小魚や虫を食すと言われています。
食事量に関しては種類や性別、住む地域によって多少異なりますが、一般的におよそ1日に140グラムから200グラムを必要とするようです。でも実際に何をどれだけ与えるかに関しては飼育目的によって異なってきます。
太らせる食事
例えば、世の中にはたくさんの食用カモがいます。特に彼らの肝は料理界で珍味と讃えられており、その高い栄養価は栄養学者さんや医師たちも知るところです。そんな背景からか、栄養に対する意識が世界的に高まっている今、たくさんの農家や企業が、食用としてカモを育て始めているのです。
そんな食用カモを育てる際には、一匹のカモからより多くの肉を生産するために、敢えて太らせることを目的とした食事を与えます。炭水化物が凝縮された食事をメインとして、25%程度をプロテインの摂取目的、そして食物繊維系の食事は控えられます。
家庭用カモの食事
しかし、最近ではお家でカモを飼う人も増えてきています。もしこれがあなたの飼育目的なら、太らせるのではなく、栄養バランスを考慮した食事を与えていかなければなりません。
つまり、先ほどご紹介したような家畜用の加工食品を使うのはご法度です。これらは無駄に肥満を促進させ、色々な病気の元となり得ます。ということで、家庭用のカモを育てる際には彼らが本来必要としている栄養バランスを知り、できる限り自然食品を使用するのが理想的です。一方、中には日々の食事にビタミン系のサプリメントを加えている飼い主さんもおり、これはカモの免疫機能を高めるのに役立ちます。
水分補給も大切
食用だろうと家庭用だろうと、綺麗で新鮮な水は絶対に必要不可欠です。これには、水飲み場を綺麗に保っておくために毎日掃除してあげたり、また食材を綺麗な水でしっかり洗ってあげることも含まれます。
衛生:衛生環境はカモのお世話をする上で大切です
彼らは野生で暮らしていても、毎日自分の体を洗ったり、巣の掃除を行います。実際、野生のよく観察してみると、家の掃除や羽の手入れに1日に何時間も費やしている事がわかると思います。
綺麗好きということは、それだけ汚い環境に対する免疫力が弱いということでもあります。つまり、衛生環境はカモをお世話する上で基本中の基本なのです。彼らが生活するエリアは、最低でも週に1回か2回は掃除に、食事・水分補給に関する設備に関しては毎日掃除するようにしましょう。
カモにとって居心地の良い環境を作ろう
カモには広いスペースが必要です。泳いだり、体を洗ったり、喉が渇いたら水分補給ができるような綺麗な水源(池やプール)が必要ですし、泳ぐだけでなく歩き回れるようなスペースも無いとすぐに太ってしまいます。
家に関しては、ウサギ小屋やニワトリ小屋などがちょうど良いと思います。安心感を感じられて、ゆっくりとお休みできるスペースです。ですが、これに関しては何匹のカモを飼うかとか、ご自宅にどれだけのスペースが余っているかなども関わってきますので、一概には言えませんね。
色々挙げましたが、カモは栄養バランスの取れた食事と良い衛生環境さえあれば、なかなかタフな動物です。それでも定期的に動物病院に連れて行って、予防接種を行ってもらうなども、健康で幸せに生きる上でとても大切ですので、ぜひ頭に入れておいてください。