犬に「こころの知能」は宿っているのか?

犬に「こころの知能」は宿っているのか?

最後の更新: 06 8月, 2018

動物の能力に関しては色んな説が飛び交っていますが、全体的には昔に比べて高く評価されていると思います。なんせ現代では、犬は人間の言葉や感情を理解するとまで言われているぐらいなのですから。しかし、ここで一つ質問です。ワンちゃんに「こころの知能(エモーショナル・インテリジェンス)」は宿っているのでしょうか?では、この記事で一緒に考えていきましょう!

「心の知能」とは?

人間と犬は色々似ているところがあり、例えば大脳辺縁系と呼ばれる脳の構造もその一つです。この大脳辺縁系とは、特定の刺激を処理する場所で、記憶や性的本能、個性や習性などに大きく関わっています。つまり、神経と内分泌腺に影響を与える場所なのです。
私たちが動物の感情をある程度理解できるのは、この部分のおかげである可能性があります。そして、犬が私たちと似た大脳辺縁系を持っているとしたら、犬も私たちの感情を理解できるという事になります。そうです。ワンちゃんは人間の感情を推し量って行動できる動物ということになるのです。
走り回る犬
犬にも「こころの知能」は宿っておりますので、人間とワンちゃんは互いに深い関係を築くことができるでしょう。またこれで、飼い主が家に帰宅した時や愛犬に語りかけた時、愛犬の脳活動が活発化する理由も説明できます。

犬に「こころの知能」はあるの?

他者の意図を認識・理解・共感したり、時には自分や他者の感情を押さえ込んだり…そういう能力は人間以外も持っています。(ダニエル・ゴールマン氏によると、なんと人工知能だってそういった能力を持ち得ると言います)
当然犬も例外ではなく、自分自身の感情を認識したり(自己認識)、自分自身の感情をコントロールしたり(自己制御)、何かをする為に感情を奮い立たせたり(動機付け)、自分の周りにいる他者の感情を理解する(共感)ことができます。そして、これらの能力は全て、犬が社会的関係を築く上で一役買っているのです。
そもそも、犬の祖先はオオカミですので、犬も本来は群れで生きる動物と言えます。群れの中にいるワンちゃんにはそれぞれ役割が与えられていて、それぞれが周りと良い関係を築きながら群れに貢献する様に動きます。ですので、犬からすると飼い主であるあなたも群れの一部ですので、あなたに共感したり、あなたの言葉や指示を理解しようとするのです。それだけでなく、もしあなたの身に何かがあったらどうすれば良いか、まで考えているでしょう。
オオカミと同じ様に、ワンちゃんも群れの誰かが悲しんでいたり、怒っていたり、疲れていたりするとそれを察知できます。眠い時は人間にみたいにアクビもしますしね! つまり犬は、人間とも感情レベルで関係を築く事ができるのです。数世紀に渡って人間は犬と一緒に暮らし、家族の一員として扱ってきました。その中で、ワンちゃんも人間を理解する為に「こころの知能」を発達させてきたのでしょう。
もちろん、こういう事ができるのは犬に限った事ではありません。人間だって他の種族の感情を、なんとなく顔を見たりしただけで分かる事もありますよね。

犬から学ぶ「こころの知能」

私たちは、愛犬にたくさんの事を教えてあげられる一方で、たくさんの事を愛犬から学ぶ事もできます。特に「こころの知能」に関しては、彼らは最高の先生になってくれるでしょう。

1. 今を生きる

散歩に行くとなった時、愛犬が考えている事は「やった散歩だ!」ぐらいじゃないでしょうか。散歩中は、色々な物を見たり嗅いだりして、持ち前の感覚器官で世界を謳歌します。時には、危険を察知して警戒したりする事もあるでしょう。
芝の上で佇む犬

2. 日常の小さな幸せを楽しむ

ストレスまみれの職場から帰って来た時、愛犬は私たちをイギリスの女王が帰還したかの様に扱ってくれます飛び回たり、吠えたり、尻尾を振り回したり。周りにそんなお出迎え方をしてくれる人がいるでしょうか?

3. 思いやる

犬は大切な事に集中している時、他の事に気は取られないという習性があるからでしょうか?あなたが病気だったり、疲れていたり、悲しんでいたりすると、愛犬はそっと寄り添ってくれます。言葉はなくとも、1人じゃないよと励ましてくれているのです。

4. 人の良いところを見つける

人の悪口に花を咲かせるのは、人間の悪いところですよね。人を偏見で見たり、誰かのミスを必要以上に論ったりするのもよく見かける光景です。一方でワンちゃんは、これとほぼ真逆です。あなたが化粧をしていなかったり服装がだらしなかったり、太ってしまったりしても、全く気にもしません。
愛犬はあなたを無条件に愛してくれて、一生あなたを気にかけてくれるのです。そういった事を加味すると、犬に「こころの知能」があるのは明白でしょう。

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。