クレスポンテスアゲハ:巨大でエキゾチックな美しい蝶
クレスポンテスアゲハは、エキゾチックな見た目で知られる巨大なアゲハ蝶で、北アメリカと南アメリカ全土で多くみられます。
その美しさから、庭園や農園、そして美しい景観の場所などで歓迎される「訪問者」の一種です。
幼虫の時代は、ほとんどの種類の柑橘類果物の葉を食べる傾向があるため、害虫と見なされることがあります。
特に若い葉を食べてしまう幼虫もいますが、柑橘系果物の木が大きい場合は、幼虫からの攻撃にも耐えることができるでしょう。
クレスポンテスアゲハの地理的分布
クレスポンテスアゲハは、アメリカ大陸全体に広く分布しており、アメリカのニューイングランド州南部から五大湖北部、そしてオンタリオ州や中央平原南部からロッキー山脈まで、どこでも見つけることができます。
また北米だけでなく南米にも広がり、アメリカ南西部からカリブ海、メキシコと中南米にも分布しています。
フロリダ州では特に一般的な種類の蝶です。
形態的な特徴
オスの成虫は、平均で長さ約14cmに、メスは約15cmに達します。
羽の背面は黒く、後部の羽を横切るような斜めの黄色い模様が印象的です。
一方、羽の腹側の表面は主に黄色で、「尾」はツバメのような形をしており、地理的な場所によって色が異なる場合があります。
一部の尾は完全に黄色で、他の尾はすべて黒です。一部は後の羽の端に青い帯状の模様がついた明るい赤色です。
クレスポンテスアゲハの幼虫期には5段階あり、それぞれの外観は異なりますが、基本的にはすべての形状が鳥のフンに似ています。
特に初期の幼虫はサイズが小さいため、鳥のフンにとても近い形状をしています。
幼虫が成熟すると葉の茎の部分で休みますが、幼虫が若い頃は葉の上部などで休んでいるところを、肉眼で見ることができます。
前述したように外観はそれぞれ異なりますが、その中でも若い幼虫は黒または茶色に白の縞模様があり、「毛」が生えています。
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ライフサイクル
成虫になると、様々な花の蜜を飲みます。ツツジ、ブーゲンビリア、スイカズラ、アキノキリンソウ、トウワタなどが栽培されている大きな庭園で、クレスポンテスアゲハはよく見られます。
成虫のオスは、松林や柑橘類の果樹園を通る移動ルートを徘徊してメスを探します。
飛行はゆっくりですが長距離を移動します。
一般的には、1日の中でも午後に求愛と交尾が行われます。
交尾を終えたメスは、一般には宿主となる植物の葉の上面に卵を個別に産みます。
卵は球形で、直径1〜1.5 mm、クリーム色のような茶色をしています。
卵は、オレンジの皮に似た外観のオレンジの分泌物で不均一にコーティングされます。
幼虫は宿主植物の小枝で変態をするか、フェンスや別の植物などの垂直な構造物まで短距離を移動できます。
茶色がかったサナギがつく枝などは、45度の角度でなくてはいけません。
フロリダでは毎年、少なくとも2回~時には3回のライフサイクルが行われます。
生物学的コントロール
クレスポンテスアゲハの幼虫は甘いオレンジにつく、マイナーな害虫だと考えられています。
クレスポンテスアゲハの幼虫の宿主植物には、柑橘類、ホワイトサポテ、および他の外来植物が含まれます。
サナギになると不動で、無防備です。
幼虫の段階は、サナギの段階よりも「保護」されていると考えられています。
前述したように、幼虫はその色や模様の作用で周りから見にくく、鳥のフンのように見えることもあります。
幼虫の頭の後ろの中央部には悪臭がするバターのような、有害でスパイシーな化学物質を分泌する腺があります。
この分泌物は、アリやクモなどの捕食者にとって忌避剤であり、有毒です。
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