世界的には珍しい三毛猫:その特徴と知られざる事実

19 12月, 2018
信じられないかもしれませんが、オスの三毛猫が生まれるのは3,000匹に1匹という低確率。そのうち繁殖力を持つオス猫が生まれるのは、10,000匹に1匹という確率です。

メスの三毛猫の99.9%は、白・茶色・黒という特徴的な3色の毛を持っています。毛の模様はによってランダムに決まり、異なった模様を持った両親から生まれます。三毛猫にはどういう特徴があって、どんな状況のときに誕生するのか、この記事で詳しく見ていきましょう。

三毛猫:知っておきたい事実

信じられないかもしれませんが、オスの三毛猫が生まれるのは3,000匹に1匹という低確率。そのうち繁殖力を持つオス猫が生まれるのは、10,000匹に1匹という確率です。つまりほとんどの三毛猫はメスで、2つのX染色体を持っているのです。X染色体に含まれている遺伝子には、茶色の毛を生み出すプログラミングがされています。また、黒と白の模様を持つには、2つのX染色体を保有していること(つまりメスであること)が必須です。

3色の毛を生み出すX染色体は、母猫からでも父猫からでも受け継ぐことがあります(オスはXY染色体を持っています)。茶色と黒の色はX染色体に由来し、白の色はS遺伝子というものに由来。色の濃淡などもこれらの要素に左右されます。

メスは2つのX染色体を持っているので、茶色と黒の色をその子孫に受け継がせることができます。1つだけのX染色体を持っているオスは茶色か黒の色を受け継がせることができますが、両方の色を同時に遺伝させることはできません。なおY染色体は毛の色にまったく影響せず、性別の決定にしか関わらないと言われています。

遺伝子には優性遺伝子と劣性遺伝子というものがあります(劣性遺伝子は、優性遺伝子が有効なときには隠れています)。三毛猫の場合、茶色の優性遺伝子と劣性遺伝子が、独特な色の組み合わせを生み出しているのです。

オスの三毛猫が生まれるのはどんなとき?

オスの三毛猫は非常にレアです。生まれる条件は以下のような場合のみです。

  • 遺伝子異常:2つ以上の性染色体があるとき。XXY遺伝子を持っていると3色の毛になりますが、生殖能力はありません。
  • 突然変異:人間でいうホクロのように、茶色のオス猫が黒いスポット模様を持つことも考えられます。
  • キメラ:他の血統・種の卵子と精子によって新たな猫が誕生したとき。
  • 雌雄同体現象:母猫の妊娠中にホルモンバランスが不均衡なとき、誕生することも。

ちなみに三毛猫は、クラインフェルター症候群という病気を持っています。これは猫を不妊にするだけではなく、生殖器異常・脳障害・臓器不全といった健康問題を引き起こすことがあります。そのため三毛猫は基本的に長生きせず、長く生きたとしても丁寧なケアと治療が必要とされるのです

遊んでいる 三毛猫

三毛猫にまつわる伝説

そのユニークな毛色から、古代より人々は三毛猫に不思議な力があると考えてきました(古代エジプトの遺跡からも三毛猫の遺骸が見つかっています)。たとえば昔の日本では、嵐から身を守って幽霊を追い払うため、船乗りが1匹の三毛猫を船に乗せていったそうです。

またチベットには、三毛猫にまつわるこんな逸話もあります。1100年ごろ、チベットのとある僧院は、修道僧同士の誤解やいざこざ、争いが絶えませんでした。僧院の修道僧たちは皆、仲良く平和にやっていけないので、居心地悪く感じていました。

そんな中、いちばん重要な寺院から3人の修道僧が集まり、この状況を解決する知恵と啓示を得るために断食を始めます。すると翌日、1匹のメスの三毛猫が、その3匹のメスの子猫とともに、僧院の入り口に現れました。修道僧たちはこれを天からの印だと信じて、三毛猫たちの面倒を見ることを誓いました。

次の会合で修道僧たちは、三毛猫の3つの色はそれぞれある種のシンボルだという結論に達します。すなわち黒と白は陰と陽(正反対の力)、そして茶色は地です。そのため、修道僧たちはみんなそれぞれの違いを乗り越えなければならないというわけです。また子猫たちの存在も、すべての新しいもの、変化、統一を示すシンボルだとされました。

ほかにアイルランドでは、5月に自分のイボで三毛猫の尻尾を撫でると、そのイボがすぐに取れるという言い伝えがあります。さらに日本でおなじみの招き猫も、三毛猫が由来です。幸運を祈って、家や店に置いてあるのをよく見かけますよね。ご存知のように招き猫は、手を振るように前足を上げています。