犬が涙を流すワケとは?

頭部の大きさの割に目が大きい犬種などは、そのほかの犬種より涙しやすい傾向にあります。そんな犬の涙は時に病気が原因だったり、単なる生理現象だったり、その奥には何らかの意味が隠されています。
犬が涙を流すワケとは?

最後の更新: 09 10月, 2018

実は涙で感情を表現する動物は、人間だけだと考えられています。確かにワンちゃんだって涙することはあるのですが、おそらくそれは単なる生理現象にすぎないのです。中には、何も異常がないのに涙を出すワンちゃんもいるぐらいです。

犬のきもち

ワンちゃんは、悲しかったり嬉しかったりしても涙を流すことはありません。その代わり、彼らには彼らなりの感情表現があるのです。しかも、随分と分かりやすい表現方法です

例えば犬は「音」鳴らして悲しみや孤独、痛み、時には幸せなどの感情を表現します。体に物理的な痛みがある場合などには鼻をクゥーンと鳴らし、興奮したり恐怖を感じたりしたら吠えます。そして尻尾が狂ったようにバタバタしてる時は、幸せを感じているか、もしくは「不安」を感じてることも考えられます。

また食欲が無かったり、無気力状態になっていたら鬱状態になっていたり悲しみを感じているのかもしれません。ここは人間も動物も同じですね。さて、では彼らの気持ちを理解するためには何をしたら良いのでしょう?最初のステップは「自分は彼らの気持ちを誤解しているかもしれない」という考えを常に持っておくことです。確かに犬は涙を流したり流さなかったりしますが、それでも別の方法で感情を表現できるのです

涙:眼球の防衛ライン

そもそも犬の涙は、眼球を守ったり乾かないようにするのが本業です。その延長線上として、眼球に悪い菌が付いたりしないように洗い流したりする役目も担っています。

なので季節の変わり目や風の強い日などには涙が出やすくなる傾向にあります。もし犬が涙を流していたとしても、そういう時期なら焦ることはありません。おそらくですが、病気ではないでしょう。むしろ目が眼球をしっかりと守ろうとしてくれている証拠なのです。

犬種

また犬種によって涙の出る量も変わってきます。例えばチワワシーズーなど頭のサイズに対して目が大きめのワンちゃんや、プードルやマルチーズといった目に毛が入りやすいタイプのワンちゃんは、ほかの犬よりも涙を流しやすい傾向にあります。

こちらを見上げる犬

涙が病気のサインかもしれない場合

もし愛犬がずっと涙を流し続けていたり、涙の色が透明じゃなかったりしたら、以下のように何らかの異常をきたしている可能性があります。こういった時には、動物病院に行って診察してもらった方が良いでしょう。

目を怪我している、もしくは異物が混入している

犬は感情で涙を流したりはしませんが、人間と同じように目にゴミが入った時はそれを排除しようとして涙を流します。そのほかにも角膜が傷ついている時なども、同じように涙を出します。

アレルギー

アレルギー反応が出ると、涙が出るのはもちろん、眼球全体が炎症して赤くなったりすることもあります。これによって「目やに」の量が増えて、目を開けるのさえ難しくなることもまで有り得るのです。ですので涙と一緒にくしゃみや咳も出ている場合はアレルギー反応を疑いましょう

感染症

ワンちゃんが大量の涙や「目やに」を出していて、しかも黄色や緑の液体を分泌していたら感染症にかかっている可能性があります。またこの時、眼球やまぶたが赤く炎症していたりすることもあるので、そこにも気をつけてあげてください。

ピンクアイ

ピンクアイは通常、環境刺激や乾燥、まぶたの形成異常などが原因で起こります。しかし、犬ジステンパーや肝炎といった深刻な病気でも発症しますので気をつけてください

目薬を入れてもらう犬

犬がたくさん涙を流していたら、どうすればいいのか?

もし愛犬が過度に涙を流していたり、涙以外にも異常が見られたりしたら、すぐに動物病院に連れて行くべきです。そしてお医者さんに診断してもらって、正しい治療法を教えてもらいましょう

しかし、それでも診察結果が出るまで時間がかかることもあるかもしれません。そんな時の対処法を下に記しておきますので、ぜひ頭に入れておいてください。

  • ぬるま湯で目を洗ってあげるこの時、絶対にこすったりしてはいけません。
  • 角膜に涙が溜まっておらず、そしてまぶたも傷ついていないのであれば、カモミールティーをガーゼを浸してそれを患部に当ててあげると良いでしょう。お茶が生理食塩水の役割を果たしてくれます。
  • アレルギーの原因になりそうなものを家から撤去する。例えば掃除に使っている洗剤や空気清浄機などがその原因だったりすることもあります。

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。