去勢手術のメリットとデメリット

去勢は適切な年齢で行うとリスクは極めて少ないのです。
去勢手術のメリットとデメリット

最後の更新: 19 9月, 2018

たくさんの人が愛犬の去勢に反対していますが、実のところ去勢は犬の身体的、精神的健康に良いのです。今回は去勢について詳しく説明したいと思います。

去勢をすると、望まれない犬が生まれない

ペットの過剰繁殖は多くの街で問題となっており、これは何百万頭もの犬や猫に住む家がないを意味します。保健所で暮らすものもいれば、路上で暮らすものもいますが、これは全てのペットに家や家族などの居場所が与えられていないのです。しかし、去勢によってこの数を減らすことができます。

遠くを見つめる犬

ですので、去勢は路上の捨て犬や捨て猫「だけ」に行うものではなく家庭のペットにも行う事です。この世に生を受ける犬や猫の数を過剰に増やす事なく、今も引き取りを心待ちにしている犬や猫たちに里親を見つけるチャンスを与えられることができます。

犬の去勢は健康にも有益

犬の去勢を行うのに望ましいとされるのは生後6~9ヶ月ですが、子犬が健康であれば最も早くて生後8週間で去勢を行うことができます。成犬でも手術を受けることはできますが、歳をとれば取るほど、手術におけるリスクや問題が生まれます。しかし、去勢は非常に簡単な手術と言われています。

犬の健康に良い点として、去勢したオスの犬は、多くの死因の一つである精巣腫瘍によって苦しむことが無くなります。

さらに、去勢されたオスの犬は前立腺の問題からも解放されます。去勢していない犬の場合、成長すると同時に前立腺が肥大化し、排尿に支障を来たす可能性があります。また、去勢によって前立腺ガンが完全に無くなる訳ではありませんが、発症や拡大のリスクは軽減されます。

犬の行動にもたらされる利益

また、去勢した犬の行動にどの様な良い変化がもたらされるかも述べねばなりません。人間の男性と同じ様に、オスの犬もテストステロンという男性ホルモンに従って行動します。ここで、去勢によって幸福感、優しさ、個性などに変化がない事も言及しておかなければいけません。

しかし、行動に変化がもたらされるのは事実です。特に交尾に関連する行動については、犬や飼い主にとって良い変化がもたらされます。例えば、自分のテリトリーを主張する「マーキング」を行うことが無くなります。この習性はテストステロンによるものだからです。したがって、去勢を行うと犬は生理的な理由でのみ排尿を行い、色んなところでする事もなくなります。

加えて、家を飛び出しメスを情熱的に探し回るタイプの犬たちは、去勢によって心が落ち着きます。交尾への衝動が無くなる為、家にいることが多くなるでしょう。

愛犬が攻撃的だから去勢をしたいと考えているのなら是非去勢手術をおすすめします。去勢は他の動物と喧嘩になる可能性を低め、場合によっては家の外(例えば公園など)での社交性を高める事にも繋がります。犬における「社交性」の問題はホルモンによって引き起こされると考えている専門家もいるのです。

去勢は、不必要な習癖をつけない為にも性的に成熟する前に行う事をおすすめします。もし愛犬が数歳に達してから去勢を行うと、かつてほど著しくはないにせよ、去勢後も同じ行動を繰り返すことが考えられます。

この様な医学的介入は、行動に変化をもたらすという意味では効果が無いということを知っておきましょう。去勢によってテストステロンの分泌量は大きく減少しますが、だからと言ってそのホルモンを二度と分泌しない訳ではありません。つまり去勢の効果というのは、個性、生理機能、またトレーニングによっても変わるという事です。

犬の去勢におけるリスクは?

去勢に有益性がある一方で、以下の様な副作用ももたらします。

床を見つめる犬
  • 去勢した犬は断種していない犬を引きつけます。
  • 成長過程の犬を去勢すると、少し背が高くなる可能性があります。
  • また、2種類のガンに資する可能性があります。(骨肉腫と血管肉腫)
  • 股関節形成不全や頭蓋十字靭帯の損傷へのリスクが高まります。
  • 通常、甲状腺機能亢進症を進行させます。
  • 食習慣に変化をもたらし、肥満に陥る可能性があります。

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。