ペットのメンタルヘルスについて学んでみよう

ペットの精神状態を常に把握して健康維持を心がけることで、ペットにとって幸せで健康的な生活を実現できます。
ペットのメンタルヘルスについて学んでみよう

最後の更新: 14 12月, 2018

メンタルヘルスという言葉を耳にしたことはありますか?

メンタルヘルスとは、精神面での健康状態のことですが、動物の性格や行動の変化の原因となるある特定の精神疾患に対して、一部の動物は非常に敏感です。

ペットの精神状態を常に把握して健康維持を心がけることで、ペットにとって幸せで健康的な生活を実現できます。

ペットのメンタルヘルス :5つの一般的な心の問題

1.うつ病

動物虐待や、毎日の生活パターンの突然の変化により、うつ病を発症する動物がいます。

うつ症状の犬 ペットのメンタルヘルス

動物のうつ症状の中でも一般的なものをいくつかご紹介します。

  • 活動の低下
  • 自らを隔離する
  • 興味やエネルギーの欠落
  • 行動の変化
  • 食欲の減少

2.強迫神経症(OCD)

強迫神経症を発症すると、反復行動や制御不能な行動を示します。つまり、自分の精神状態を制御できなくなるために、強迫的な行動を通じてそれを表す傾向があります。

強迫神経症を発症した動物の多くは、自分の尾をやたらと舐めたり、いつまでも円を描くようにくるくる走るという行動が現れます。

一般的に、身体的または精神的な虐待、過度の不安障害、または隔離(例えば、常にヒモの縛られ生活しているなど)などがこの病気を引き起こすと考えられています。

3.分離不安症候群

飼い主に依存しすぎている動物は、分離不安症候群を発症する傾向が高いため、放置されている時に過度な行動を起こすことがあります。

  • 脱走
  • 自分を傷つける
  • 鳴く
  • 物を壊す
  • 何かを噛む
  • 過剰に吠える

これらの行動は一般的に見られる分離不安の症状です。

4.恐怖症

多くの動物は、掃除機、ヘアドライヤー、そして花火などの大きな音が出るものを嫌います

これらの音を聞くとパニックを起こして、精神的なバランスが乱れ、攻撃的な行動に出る以外に、逃げる、隠れるなど、恐怖心が行動に現れる傾向があります

5.心理的外傷後のストレス

動物への暴力、虐待、そして放棄などのネガティブな経験によるもので、一部のペットの中には、人間や他の動物とのコミュニケーションが極端に難しくなったり、逆に攻撃的、そして暴力的な行動を示すことがあります。

このような行動が現れた時は、獣医師などの専門家に相談して、忍耐強く対処することが大切です。

ペットのメンタルヘルス :アドバイス

ペットの精神状態を平穏に保つためには、毎日の生活習慣やライフスタイルが重要な鍵を握ります。

健康的で「ポジティブ」な1日の生活により、犬の精神状態が安定して、寿命と生活の質が向上する効果が高まります。

ここからは6つの基本的なアドバイスをご紹介します。

1.健康的でバランスの良い食事

栄養バランスの乱れた食事は、栄養失調、肥満、消化器系の健康問題、疲労感、そしてうつ病をはじめとする性疾患など、動物の心身の健康バランスに悪影響を及ぼす可能性があります。

動物の食事は、年齢と体のサイズによって異なります。

またアレルギー、肥満、泌尿器系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患などの特定の病気を発症している場合は、獣医師に相談して、病状を改善する特定の食事療法を行う必要があるでしょう。

また、人間の食べ物や人間の食べる量は犬のものとは違います。実際人間の食べるものの中には、犬にとって有害なものがあります。

2.適度な運動の継続

バランスのとれた健康な食事と同様に大切なのが、適度な運動を継続して行うことです。どちらが欠けてもいけません。

運動は体重をコントロールし、免疫システムを強化しながら、代謝のバランスを正常に保ちます。

運動を継続して行うことで、心身の健康維持だけなく、病気の予防効果も期待できます。

さらに、運動を行うことで、犬の「ありあまる」過剰なエネルギーを発散するため、犬の自宅での行動を穏やかに保つ効果も期待できます。

運動は動物にとって、レクリエーションとリラクゼーションの二つの機能と効果を提供します。

3.社会的スキルの取得

他の動物や人間とのコミュニケーションの中で、感情を安定させて強化するための社会的スキルを身につけます。

社会的スキルは、ペットの精神状態を安定させ、危険な行動を起こすリスクを低下させる役割もあります。

動物の社交性は、最初の数週間で身につくため、生まれてから4週間から20週間目の間に、教え始めることが大切です。

社交性のある犬 メンタルヘルス

4.定期検診・予防接種

病気が原因で、精神面に悪影響を及ぼすことがあるため、定期検診や予防接種を欠かさず行って、病気の予防をすることが大切です。

予防接種、グルーミング、歯科検診とクリーニング、そして目、耳、毛皮を清潔に保つことが大切です。

そして定期的に獣医師による健康診断を受けることも忘れてはいけません。

5.撫でる・ケアする

どの動物でも、飼い主の注意と愛情を必要とします。飼い主と多くの時間を過ごすことを好む動物もいるため、ペットを飼うときは、自分の自由時間に適した動物を選ぶことが大切です。

撫でる、またはブラッシングなど、飼い主との時間は、動物の気分や精神状態を改善する絶好の機会です。

また飼い主とペットの絆を深めて、お互いがより幸せな気分になり暮らしもより幸せになります。

こちらもご覧ください:ワンちゃんを撫でる時のアドバイス

6.リラクゼーションセラピー

近年、ペット向けのリラクゼーションセラピーが一般的になっています。

飼い主も一緒に行うと、より効果的です。

アロマセラピー、音楽療法、風水、そして瞑想など、リラクゼーションの方法は様々ですが、ペットと飼い主の両方にポジティブでリラックスした環境を作り出すことが目的です。

ペットの精神状態だけなく、家族全員の心の健康をも促進するおすすめの方法です。

 


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。