【舐めすぎ注意!】犬の肢端舐性皮膚炎ってどんな病気?

10 8月, 2020
肢端舐性皮膚炎は、犬が舐めやすい前脚に最も多く見られます。

毛づくろいをすることでよく知られているのは猫ですが、実は犬も舌を使い毛づくろいを行います。そして、時に舐めすぎることから肢端舐性皮膚炎(したんしせいひふえん)を起こしてしまうのです。この記事ではこの肢端舐性皮膚炎について、そしてその治療法について詳しく見ていきたいと思います。

肢端舐性皮膚炎とは?

肢端舐性皮膚炎は、犬が絶えず体の特定の部位を舐めることによって引き起こされる慢性疾患です。いつも舐めていることから傷が完全に治らない状態になります。

通常、肢端舐性皮膚炎は細菌感染、真菌感染、切り傷、アレルギー、虫刺されによる発疹が原因となって発症し、場合によっては、退屈しのぎや問題行動の結果として、通常は前脚などの特定の部位をノンストップで舐めるようになります。

犬は傷口が気になると自分の唾液で治そうとします。しかし、この行為が強迫的に行われるといずれ健康にも悪影響が出る問題となってしまうのです。

肢端舐性皮膚炎

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犬は舐めることで安心するため、終わりのないサイクルに入ってしまいます。かゆみや痛みといった症状が出るとまた舐めてしまい、この繰り返しの行動が肢端舐性皮膚炎になり、最初の症状よりはるかに深刻なものと化してしまうのです。

肢端舐性皮膚炎はストレスを多く感じている犬(特にアニマルシェルターにいる犬で多い)に多く見られますが、肢端舐性皮膚炎になりやすい犬種もあります。例えば、ラブラドールレトリバー、ジャーマンシェパード、ナポリタンマスティフ、ゴールデンリトリバー、ドーベルマンピンシャー、グレートデーン、スパニッシュマスティフなどが挙げられるでしょう。

肢端舐性皮膚炎はどうやって見つける?

肢端舐性皮膚炎は見た目ですぐに分かります。まず、犬が体の特定の場所を舐め続ける・噛み続けているのに気が付き、傷・脱毛・潰瘍・炎症・ただれ・出血、または黄色い分泌物が現れます。悪臭がしたり、痛々しい見た目だったりするのも特徴です。

もしいずれかの症状が見られたら、適切な診断のために動物病院に連れて行きましょう。肢端舐性皮膚炎と思われても、実際には寄生虫の感染や傷の場合もありますよ。

獣医によって肢端舐性皮膚炎と診断されたら、その原因を突き止めるのが次のステップです。まず、抗生物質が処方され、患部を舐めたり噛んだりする原因となっている症状を抑え、傷を治します。クリームや外用薬を使うこともあるでしょう。

肢端舐性皮膚炎の治療と予防

犬が自分を噛まないようにするためには、エリザベスカラーを付ける必要があります。患部を包帯で巻くこともありますが、これは飼い主の管理が必要です。ガーゼや包帯の交換は大変ですが、獣医の指示通りの頻度で行うことが重要です。

肢端舐性皮膚炎の治療

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問題行動の結果として肢端舐性皮膚炎になった場合、もっと頻繁に散歩に連れて行く、遊ぶ、構ってあげるなどの行動も必要です。こうすることで犬の不安とストレスが軽減され、自分の体を傷付けないようにすることができます。

肢端舐性皮膚炎を治し再発させないためには、健康的で落ち着いた環境を整えることが非常に重要で、寄生虫や細菌が原因の場合は、衛生環境を改善することが不可欠です。

肢端舐性皮膚炎はすぐに治療すれば深刻な問題ではないということを覚えておいてください。しかし、最も大切なのは再発を防ぐことです。そのためにも、肢端舐性皮膚炎になった原因を突き止めることが、治療そのよりも重要なのです。

Paterson, S., Midgley, D., & Barclay, I. (2007). Canine acral lick dermatitis. In Practice. https://doi.org/10.1136/inpract.29.6.328