【遺伝?生活習慣?】歩行が困難な小型犬について知っておこう

先天性の原因で生後4〜12ヶ月の間に膝蓋骨脱臼だと診断される小型犬もいます。治療しなければ、悪化するかもしれません。
【遺伝?生活習慣?】歩行が困難な小型犬について知っておこう

最後の更新: 07 9月, 2020

小型犬は、その体の小ささから共通した特性をたくさん持っています。例えば、小型犬の多くは、レッグ・カルヴェ・ペルテス病と呼ばれる病気になりやすく、脚を引きずってしまうことがあるのです。

脚を引きずる小型犬:知っておきたいこと

小型犬によくみられるレッグ・カルヴェ・ペルテス病は、血液が正常に下肢筋に到達しない病気で、歩行が困難になったり、様々な角度で脚を引きずるようになります。

この病気は、「虚血壊死」としても知られており、主に大腿骨頭に影響を与えます。身体器官の萎縮を引き起こし、時には激しい痛みを伴います。通常は生後4ヶ月〜12ヶ月の間に診断されますが、治療しなければ症状が悪化したり、腰にまで影響を与えてしまうことがあります。

レッグ・カルヴェ・ペルテス病で脚を引きずる小型犬にはスリングを使うことを推奨する獣医もいます。また、脚を固定し、休ませることが推奨されることもありますが、深刻なケースでは手術となることも十分あるでしょう。

膝蓋骨脱臼が原因で脚を引きずる

小型犬が脚を引きずる別の原因として膝蓋骨脱臼も挙げられます。膝蓋骨とは大腿四頭筋に位置する腱の石灰化で、この問題は遺伝的なものですが、栄養状態や生活環境によって悪化することがあるので注意が必要です。歩く時に痛みがあるだけでなく、飛び跳ねるようにして歩くのが特徴です。太り過ぎている犬や、動きすぎの犬はさらに症状が悪化するでしょう。

このように小型犬が脚を引きずるのはよくあることで、主な原因は先天性欠損症によるものです。生まれた時に膝が健康であっても、成長するに連れて大腿骨の溝がその深さを失い、膝小僧が自由に回らなくなります。これにより、グラグラとして歩くのが困難になるのです。

レッグ・カルヴェ・ペルテス病とは違い、膝蓋骨脱臼は前足または後ろ足のどちらかに起こる場合があります。

脚を引きずりがちな小型犬種とは?

小型犬は、若い時からレッグ・カルヴェ・ペルテス病にかかり、脚を引きずりやすいのは説明しましたが、もちろん成犬となってから症状が出る場合もあります。小型犬の中でも特に脚の病気が見られやすい犬種をご紹介します。

1. ビション・マルチーズ

ビジョン・マルチーズは、イタリアで有名となった犬種ですが、地中海の島、マルタが原産です。基本的には健康的な犬種ですが、膝や膝小僧のトラブルから脚を引きずることがあるので太り過ぎに注意したい犬種です。

マルチーズ

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2. ヨークシャーテリア

ヨークシャーテリアは、イギリス原産の犬で産業革命の最中に作出されました。ヨークシャーテリアは膝蓋骨脱臼、皮膚アレルギー、心臓のトラブル、白内障、角膜の乾燥、消化系の過敏性を始め、様々な健康トラブルを抱えることがあります。

ヨークシャーテリア

3. トイプードル

トイプードルもまた、脚を引きずりがちになる小型犬種の一つです。他のプードル(スタンダードやミディアム、ドワーフタイプ)に比べると、その確率はずっと高いでしょう。トイプードルの体長は、28cmほどです。つまり、他のプードルとは全く異なる特性を持つのです。

トイプードル 歩行 小型犬  レッグ・カルヴェ・ペルテス病

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4. パグ

パグは中国が原産の犬種で、イギリスで繁殖されました。最近とても人気の犬なのでよく目にすると思います。パグはモロッサー(強くがっしりした体を持つ犬)で、特徴的な平たい顔をしているため、短頭種気道症候群となりやすいでしょう。暑さに弱く、呼吸が困難となります。

パグ 歩行 小型犬  レッグ・カルヴェ・ペルテス病

また、パグはよく食べるにも関わらず運動が嫌いなために、肥満になることが多い犬種です。このことも、脚を引きずりやすくなる要因の一つで、歩く時に関節が体重に耐えられなくなってしまいます。

あなたの愛犬は歩きづらそうにしてませんか?もしそうなら、原因を突き止めなくてはいけません。もしかすると、脚に痛みがあるのかもしれませんし、足の裏に何かが挟まっているのかもしれません。何日も脚をひきずっているようであれば、獣医師に相談することをお勧めします。特に小型犬の場合は、放っておかずにすぐに専門家に相談してワンちゃんの健康を維持してあげましょう!


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