アルゼンチンでドッグレースが禁止に

アルゼンチンでドッグレースが禁止に

最後の更新: 30 6月, 2018

アルゼンチンにとって2016年は大きな変革があった年でした。ブエノス・アイレスの動物園がエコ・パークになり、ペットは地下鉄に乗れるようになり、そして全国的にドッグレースが禁止されたのです。

賛否両論の法律

草原を走る犬

この年、代議院はとある計画の法制化を達成しました。それは違反者に最長4年の禁錮と8万ペソ(およそ2,800ユーロ、もしくは3,269.14米ドル)の罰金を課すもので、これはドッグレースの類を主催、推進、企画執行した人に適用されます。実は国会に提出される以前から、この法律については賛否両論の激しい議論が繰り広げられていました。

その日は、動物愛護団体やグレイハウンド・レーシングを擁護する人たちがアルゼンチンの立法宮殿の前に集まり、時に衝突もありましたが、結果は賛成132票、反対17票、そして棄権32票でついに法制化が決定しました。

2016年、アルゼンチンでの動物の権利を巡る戦いは、このドッグレースの禁止によって、動物の権利が保証されるという良い結果を残して幕を閉じる事となりました。これはエコ・パークの建て替え、そしてペットの地下鉄利用の合法化に次ぐ勝利です。

ドッグレースの禁止は、動物の権利への一歩である

マウリシオ・マクリ政権下で進められた経済政策によって、アルゼンチンの2016年は多くの人の「生活の質」に影響を与えた年として語り継がれていくでしょう。しかしそれと同様に、同年は動物の権利向上が始まった年とも言えます。

確かにアルゼンチンには、まだまだ税金の引き上げや失業率、そして急激に膨らむ借金やインフレなどの問題があふれています。そんな中、犬がもうドッグレース業界に搾取されることが無くなったというのは、数々の問題を抱えるアルゼンチンの人々にとって一際良いニュースとして響いたでしょう。しかしここからは、どこまで法律の遵守が徹底されるかという問題が始まります。特にそういった活動の監視が地下での非合法活動を促進するような事が無いよう、徹底しなければならないのです。

犬を傷つける人たちの「金のなる木」

法制化に寄与した議論の一つが、ドッグレースは違法賭博に当てはまるというものです。というのも、このドッグレースという利益率の高いビジネスは、参加者に以下のような報酬を与えていたのです。

  • 大西洋海岸にある2つのベッドルームのついたアパート
  • モーターバイク
  • 15万ペソ(およそ5,300ユーロ、もしくは6189.61米ドル)

しかし、動物好きの人からすると問題の根本は動物虐待にあります。特にグレイハウンドに対しての虐待です。

レース犬の悲しい一生

何年にも渡って、活動家はレース犬の酷い扱いに対して抗議してきました。

  • 能力向上の為のドーピング。エフェドリンやヒ素、ストリキニーネ、そして時にはコカイン等の物質の投与
  • 強制的に交尾を行わせ、メスの犬には一年に2匹ではなく、3匹の子犬を産ませようとする。
  • 筋肉の増強とレース中のスタミナを向上する為のアナボリック・ステロイドの投与

上記の行いは全て、犬の心臓や腎臓にダメージを与え、従って当該産業における犬の平均「労働」年数は通常5年以下で終わります。

迅速な解決が求められる問題

砂浜を走る犬

犬がレースで良い成績をあげなくなると、その後は狩猟犬として利用される傾向にあります。ですが、これもまた犬たちにとっては一つの試練となります。というのも、多くの場合彼らは殺されたり捨てられたりするのです。そしてなんと、レースに使い物にならないと判断された子犬にも同じ試練が待っています。

この新法によって、犬たちに対するこのような酷い扱いが一刻も早く変わり始める事を願います。その一方で、動物愛護活動家たちは、このような犬たちに新しい家を提供する活動を今も続けています。