びっくり!兄弟の遺体を埋葬してあげた犬

私たちが知る限り、この亡くなった犬は道路で轢かれたそうです。そして、もう一匹の犬が穴を掘り、亡くなった方の犬を埋葬しました。
びっくり!兄弟の遺体を埋葬してあげた犬

最後の更新: 19 12月, 2018

この話はまさに「百聞は一見に如かず」の良い例でしょう。

ある日、悲しいことに死んでしまった犬がいました。すると、一匹の犬が溝に落ちていた犬の遺体に近づき、自分の鼻を使ってその体に土をかけ始めたのです。紹介されたニュースのタイトルは「犬が兄弟を埋葬する」でした。さらに、ニュースでは、亡くなった人を埋葬するという人間の行動を犬が真似るなんて感動的だと言われていました。

けれど、本当にそれが真相なのでしょうか?それとも、私たちのペットが家畜化される前の、何百年も引き継がれてきた本能や行動に着目するべきなのでしょうか?

こちらがその映像です。

動画が撮られた時の状況

インターネットは大きな一つの共鳴板であり、ものすごい速さで一つの情報が拡散されます。さらに、インターネットはその情報が、特にもう既に検証されている場合は、必ずしも正確ではなくても良いところです。一番重要なのは写真と、その写真がどれだけインパクトがあるかだけなのです。

亡くなった兄弟犬を埋葬している犬の動画はその立派な例です。誰かがその瞬間をカメラに収め、SNSに投稿。すると、マスメディアがその「ニュース」をあっという間に広げてくれます。

けれど、この動画に映された数秒間以外について私たちはよく知りません。これは、タイのブリーラム県で起こったと言われており、最近人気が出てきた動画ですが、YouTubeには1年以上前から投稿されています。

私たちが知る限り、この亡くなった犬は道路で轢かれたそうです。そして、もう一匹の犬が穴を掘り、亡くなった方の犬を埋葬しました。けれど、この二つのことは動画にははっきりと映されてはいません。その反面、犬が死んでしまった方の犬の遺体に、鼻を使って土をかぶせているのは観れます。でも、人間と同じような行為に感動したという部分は、視聴者が想像で足した部分です。

最近、ある犬が他の犬の遺体を埋葬している動画がネットで拡散されました。たくさんの人に感動を与えた動画ではありますが、私たちは読者たちに、ペットの「人間扱い」についての問題について考えて欲しいと思っています。

ペットの人間扱い

私たちは、たとえ人でも犬でも大切な者が亡くなってしまった時に犬が経験する悲しみを否定したいわけでは決してありません。ネットを見なくても飼い主のお墓を離れようとしない犬の話や、大切な動物の友達が死んでしまった時にひどく落ち込んでしまう犬の話はよく聞きます。

けれど、私たちはあの犬が兄弟の遺体に土をかぶせた行動は、人間が亡くなった人を埋葬する習慣とは関係ないのかもしれない、ということ指摘することは大切だと思っています。

それは人がよくやってしまうことです…私たちは自分のものさしで物事を測ってしまうこともあります。言い換えれば、動物を人間扱いしてしまうのです。ですからペットに人間の特徴や習慣を当てはめ、彼らの持つ特徴などを尊重しない時もあります。

犬と埋葬について

動物の行動についての専門家は、この犬がなぜ友の遺体を埋葬したかについてもっと正確な解釈を考えるでしょう。ここ、動物王国では、先ほどの動画に関係する、犬の持つ二つの本能からくる行動について説明したいと思います。

まず、雌犬は出産後、死んでしまった子犬を食べたり、埋める習性があります。そしてそれは、彼らが何百年もしてきたことです。犬がまだ家畜化されていなかったころ、他の子犬を守るためには「穴」が必要だったのです。また、動物の死体の臭いは敵をあっというまに引き寄せてしまいます。

YouTubeで検索すると、雌犬が子犬の遺体を埋めている動画が出てくるでしょう。けれど、私たちは人間ですから、優しい母犬が赤ちゃんを埋葬している「人間のような」行動だと捉えるでしょう。

犬の穴を掘る習性

二つ目に、犬には穴を掘って物、特に食べ物を埋める習性があります。昔は、犬にはお皿いっぱいの食べ物が彼らを毎日迎えてくれることなんてありませんでした。ですから、犬は祖先たちが穴を掘って他の犬が見つけられないように食べ物を埋めていたから、今も穴を掘るのです。

私たちは人の良い気分を台無しにしたり、素敵な動画を汚したいわけではありません。この話題について違う視点をお届けし、議論のきっかけを作ろうと思っただけです。世の中のすべてが見かけと同じわけではありません。その一方で、動物たちは、私たちにたくさんのことを教えてくれる素晴らしい生き物なのだということに変わりはありませんよ。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。