ドックレース:アルゼンチンでついに廃止へ
犬は人間を助けるために働いてくれます。例えば自閉症、がん、病気の発見、盲導犬など人々の生活を助けるセラピードックがこれに当てはまります。しかし、残念なことに、犬は残酷なことにも利用されることがあります。その一つにドックレースが挙げられます。
長年にわたって、様々な団体がドックレース廃止を目指し、戦ってきました。犯人を見つけるのは容易ではなく、残念ながらドッグレースは未だ存在していますが、今回お伝えするのはアルゼンチンでドックレースがついに禁止されたと言う嬉しいニュースです。
ついに禁止されたドックレース
舞台はドックレースが頻繁に行われているアルゼンチンです。市民によるデモや嘆願の結果、政府はこの問題に取り組み始めました。
政府はドッグレース廃止の是非の投票を行いました。議会の外は、ドックレース廃止を求める活動家と、ドッグレース廃止に反対する人々の両者で溢れかえっていました。ドックレース廃止に反対していたのは、ドッグレースをビジネスとして金儲けしていた「グレイハウンダー」として知られる人達です。
両サイドは、ヒートアップし、汚い言葉を浴びせたり、叫んだり、暴力行為に至り、そしてついには警察が止めに入らなくてはならない状況になりました。
一方、議会の中でも、同じように、賛成派と反対派が衝突していました。投票を棄権する人も少なくありませんでした。
しかし結果は、ドッグレース廃止賛成派の圧倒的勝利となりました。賛成派が132票に対して、反対派は僅か17票、棄権票は23票でした。こうして、ドックレースは全国で禁止されることになりました。
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どんな罰則が課せられるのか?
Civic Coalition上院議員によって起草された新しい法律は、ドッグレースによく使われるグレイハウンドだけではなく、犬の種類を問わず全てのドッグレースを禁じています。
法律を守らずドックレースを企画した場合は、3ヶ月から4年の懲役刑に処されます。また罰金4000ドルから80,000ドルを支払わなくてはなりません。
ドックレースの禁止を目標としてきた非営利団体はこの結果に非常に喜んでいます。そのうちの1つガルロスプロジェクト(Galgos Project)は常にドックレースに対する法的処置を強調してきました。ガルロスプロジェクトは地元の記者に以下のように述べています。
レースは賞金や賭けなどのビジネスで、グレイハウンドをはじめとする犬たちはその商品としてひどい扱いを受けてきました。
犬は、真っ暗な場所にある檻に閉じ込められています。「グレイハウンダー」と呼ばれる人たちは犬にロープをつけ、ひどい環境の中で生活させます。また生後6ヶ月になると、より早く走れるようにするため薬物を与えるようになります。これらの薬はストリキニーネ、脾臓、エフェドリン、バイアグラまたはステロイドを含んでいます。
レースの10分前には、首や胸に最後の注射をします。この注射は、メタンフェタミンや、ビタミンと混ぜたコケインなど犬を死に追いやる可能性もある薬物が含まれているのです。
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また、獣医師のアンドレア・ディラチェッテは次のように述べています。
ドッグレースに参加させられた犬には、骨折したり、全身にトラブルが出たり、心停止、突然の死亡など多くの問題が発生します。怪我をしたにも関わらず強制的にレースに出させられ、たとえ骨折していたとしても走らなければならないのです。
このように、ドッグレースを直ちにやめければならないことがご理解いただけたと思います。アルゼンチンのドックレース廃止が、大きな一歩となることを願っています。