犬の口輪の種類について
マズルと呼ばれる犬の口輪をご存知ですか?
安全のためや地域の規則のためと理由は様々ですが、状況によっては、犬用の口輪を装着する必要がある犬もいます。
日本ではまだあまり知られていませんが、海外では多くの犬が使用しています。
犬用の口輪について詳しく理解している人はさほど多くはいないため、「犬用の口輪は犬にとって不快?」「それとも有害?」など、様々な疑問が芽生えるでしょう。
これらの疑問にお答えするために、本記事では犬の口輪の種類をいくつかご紹介します。
口輪の使用
海外の一部の国では、「潜在的に危険」な犬に分類される犬は、外出するときに必ず口輪を装着することが法律で義務付けられています。
また法律で義務付けられている犬以外でも、サイズによっては飼い主が安全のために、外出時には口輪を装着する場合もあります。
元気な大型犬であったり、性格が積極的な犬の場合は、予防措置として、またはしつけが完了するまでの応急措置として口輪をするケースも見られます。
口輪はほとんどの犬にとって苦手なものであり、ストレスになることもあります。
しかし、予防措置としてつける場合は、犬が外出する際の首輪や紐と同様に「つける必要があるもの」として犬が覚えることが大切です。
何か問題が起こってしまってからでは遅いため、犬のタイプに合わせ、犬に慣れさせることが大切です。
画像提供:Bev Sykes
近年では、様々な種類の口輪が販売されています。
チューブ型マズル
口を覆い、鼻は外に出た状態になる、布でできたチューブ型の口輪です。
耳の後ろに取り付けるタイプの口輪で、ペット用品店やオンラインショップで簡単に手に入れることができます。
安価なため、壊れやすいのが難点ですが、交換する際もさほど費用はかかりません。
ただし、このタイプの口輪は犬にとって最高の口輪とは呼べません。
この口輪は、犬の口の動きを制限するために、犬が体温調節をするために舌を外に出して呼吸をする際の妨げとなります。
またニオイを嗅ぐことも舐めることも困難になります。
バスケット型マズル
これは口輪が犬の口に触れることなく、口全体を包み込む硬いプラスチック、または金属を材料にした製品です。
このタイプでは、犬は口を開けることができますが、何かを臭うために鼻を地面などに近づけた時に、完全に近づけで嗅げるかどうかは、製品の形状によります。
飼い主の中には、この口輪の先端を切り取れば犬がニオイを嗅ぐことができると、切り取ってしまう人もいますが、正しく切らないと、鋭い先端が犬の口は顔に当たる危険があります。ご注意ください。
バスカヴィルマズル
この口輪は、バスケット型の口輪をベースにしていますが、より広くできています。
頭の下の部分に布製の紐がついているため、犬が自分で取り外してしまうのを防ぐ機能があります。
またこの口輪の正面部分は犬がおやつをもらったり、ニオイを嗅ぐことができるようにデザインされています
この名前は、最初にこの形の口輪を市販した会社の名前です。
他の口輪と比べて高価ですが、犬のニーズにより対応したデザインになっています。
トレーニングに最もよく使われる口輪の一つです。
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ハルティマズル
これもまた、最初に開発して販売したブランドからその名前がついています。
ハルティの首輪は、実際はマズルはありませんが、顔のハーネスのようなハルター型で紐につながっています。
馬やロバがつけているものを想像していただければ、それに似た形です。
つまりこれを装着していても噛もうとすれば噛むことはできます。
前述したように厳密には口輪ではありませんが、犬が飼い主を引っ張るのを予防するためにデザインされたものです。
一切、犬が無理に飼い主を引っ張ろうとすると、首、背中、そして頭に痛みを感じる効果があります。
短頭種の犬の場合
ブルドッグ、パグ、そしてボクサーなど、いわゆる短頭種の犬には、特別に設計されたマズルが必要です。
通常はバスケットマズルのバリエーションで、広くて短いものが販売されています。
このタイプの犬は、呼吸器系の問題を抱えていることが多くあるため、呼吸が楽には行えない布製タイプの口輪を使用してはいけません。
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その他の口輪
犬用の多くのマズルが販売されています。
他人や不審者を怖がらせるためには、皮や金属などで装飾されたデザインも販売されています。
多くの犬が装着しているのはバスケットマズルです。
画像提供:Maja Dumat
あなたの犬がどうしても口輪を装着しなければいけない状況になったならば、まずは口輪をつけるのは何かの罰ではないことを理解させることが大切です。
口輪を手に持ってる時や、犬が口輪を装着しているときに何かとても楽しいことを行い、ネガティブな感情が生まれないように気をつけてください。
そして犬が散歩などの外出時に、非常に攻撃的である場合は、口輪をつけるという対処法を行う前に、ドッグトレーナーなどに相談して、必要なトレーニングやしつけを行いましょう。
やはり口輪は犬にとって快適なものではありません。
しつけなどによって口輪をつける必要のある犬が減ることを願っています。