花火が怖い犬にはお薬を 

花火大会は犬にとっては楽しくないイベントです。どうすればこの賑やかなイベントを犬が乗り切れるか詳しくみていきましょう。
花火が怖い犬にはお薬を 

最後の更新: 01 7月, 2018

海外ではクリスマスや年末になると花火が楽しめる季節がやってきます。花火はお祝いとして世界各国で楽しまれています。

しかし、家族の一部の人(動物)には楽しみではない時期なのです。それはペットです。そして、中でも犬にとってはとても楽しみでない時期なのです。犬の多くは花火で不快感を覚え、苦痛に思っているのです。

犬の多くは頻脈か極度の不安に悩まされていて、ジッとしていることができないのです。この状態の犬は通常より多くよだれが出てきて、不快感を知らせるために吠えたりクンクン鳴いたりするのです。床を激しく引っかいて逃げようとする犬もいます。でも、何から逃げようとしているのかすら分かっていない混乱状態なのです。

花火の騒音は犬にこのような強い反応を生み出します。そして、花火の音は一回だけでなく、何度も何度も繰り返されます。この騒音とは対照的に、音楽を癒しと感じる犬は多いようです。

賑やかなお祭りから犬を救う方法

花火の音への恐怖は犬の生活の質を下げます。それは、体にも心にも影響してくるのです。この問題を対処するため、米国ペンシルバニア大学の研究者のグループは薬を作り出しました。この薬は花火のストレスを和らげるものです。

犬とお花

具体的に、この薬はデクスメデトミジン由来の経口薬のジェルです。この薬には鎮静効果と鎮痛効果があります。経験豊富な獣医からのアドバイスのもと、飼い主はこの薬を犬にあげます。

  • 元の研究は獣医記録しに掲載されました。

そして、この薬は花火による恐怖心を和らげるのに非常に効果的であるということが実験によって示されたのです。2012年12月に、花火の騒音下で不安が強くなる182匹の犬を対象に研究が行われました。

結果は、投与された犬の72%には薬の効果が認められました。震え、ハーハーとした息遣い、不安、遠吠え、おもらしなどの恐怖を感じたさいに表れる行動が大幅に減少したのです。

副作用は?

新しい薬を犬に使い始めるとき、飼い主として気になるのは副作用です。

幸いにも、デクスメデトミジンを投与された犬からは強い鎮静作用は見られませんでした。可愛い愛犬がうろたえているところや、うまく体が動かせなくなっているところを見たい飼い主はいないので、大きな副作用が見られなかったのはとてもいいことです。

犬が花火を怖がったらできること

現在は、デクスメデトミジンは英国のみでしか入手できません。しかし、世界中どこでも入手可能になるまでにも、花火大会のシーズンに状況をコントロールするために飼い主ができることはたくさんあります。

セラピーウォーク。歩くことはストレスをコントロールし、犬を落ち着かせることができます。しかし、お散歩に行くときは首輪に連絡先が載っているネームタグを付けましょう。もし花火の音を聞いて驚いて逃げ出しても、タグがあれば見つけやすくなるからです。

冷静さを保つ。怖がっている犬を見ると、飼い主は気が付ないうちに態度を変えてしまっていることがあります。通常より特別扱いをしたり、まるでこの世が終わりそうになったかのうように犬をなだめたりしてしまうのです。

怯える犬

犬の近くにいる。音の大きな花火大会のときは、犬を一人にしないでください。もし可能であれば、家の中で花火の音から一番遠い場所に犬を連れて行ってあげましょう。

騒音を減らす。外からの騒音は、当たり前ですが、消すことはできません。しかし、ドアや窓を閉めるだけでも、だいぶ静かになります。

音楽。リラックスミュージックを聞くことでストレスレベルが下がる犬もいます。愛犬のストレスレベルが音楽で下がるかどうかを知るには、花火の前に(花火の最中ではなく)試してみましょう。ネットを使えばすぐに犬のストレスを下げるのに効果的な音楽のリンクがいくつも見つかります。

おもちゃ。噛むおもちゃはストレスを和らげるのに効果的です。人間でもストレス発散を目的に握る製品がありますが、犬は握る代わりに噛むのです。

動物病院に行く。花火を極度に怖がる犬の中には、恐怖から自分を傷つけてしまう犬もいます。この場合は専門家に処方箋を出してもらい、愛犬の安全を守ってあげましょう。


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。