科学に基づいた猫のクリッカートレーニングとは?

クリッカートレーニングは、猫の行動を導くことを目的としています。
科学に基づいた猫のクリッカートレーニングとは?

最後の更新: 01 2月, 2020

犬は猫よりも学習能力が高いと一般的には考えられていますが、必ずしもそうではありません。実は、クリッカーという道具を使うことで効果的に猫にもトレーニングができるということが分かっています。今回の記事ではそんなクリッカートレーニングについてご説明していきます。

猫のクリッカートレーニング

クリッカートレーニングは、猫の行動を導くことを目的としています。罰を用いることはクリッカートレーニングに含まれません。その逆に、クリッカートレーニングでは、求める行動をしたときにご褒美をあげることでその行動を強化していきます。クリッカーの「カチッ」という音が鳴ったときにご褒美がもらえるということを教えていきます。

猫の散歩

クリッカーは、金属板を押すことで「カチッ」とクリック音がします。重要なのは、この音が猫にとって珍しい音ということです。猫は元々好奇心旺盛な動物なので、この音に興味を持つのです。

さらに、飼い主の声は猫にとっては慣れ親しんだ音なので、声を使って猫のトレーニングを行うのは難しいでしょう。そこで、クリッカーの「カチッ」という音が唯一のコミュニケーション法になるのです。

もちろん、クリッカートレーニングはすぐにできるわけではなく忍耐を必要とします。クリッカートレーニングをスムーズに行うヒントをいくつかご紹介していきます。

クリッカーを使って猫のトレーニング

クリッカーを入手し、与えるご褒美がすでに決まっている場合は、次をトレーニングの参考にしてみてください。

  • ターゲットスティックを選ぶ。ターゲットスティックとは、猫に指示を伝えるための棒状のものです。たとえば、棒、ペン、スプーンといったまっすぐのものを選ぶといいでしょう。ピンポン玉や発泡スチロールのボールを棒やペン先につけることで、猫の注意を引きやすくなります。絶対にしてはいけないのは、ご褒美をターゲットスティックとして使うことです。ご褒美が目的となった行動のみになってしまうためです。
  • タイミングを見計らう。落ち着いているときなど、トレーニングをするタイミングを見計らうことは重要です。トレーニング中は、適度な間隔で5分程度の休憩をはさみながら行います。また、ごはんの前にトレーニングを行うことでご褒美に関心が向きやすくなるため、あなたのコマンド(命令)にも従いやすくなるでしょう。
  • 集中を妨げるようなものを取り除く。トレーニングは物をあまり置いていない部屋で行うようにしましょう。物が多いと集中しにくく、トレーニングを効果的に行うことが難しくなります。
子猫
  • 目線の高さを合わせる。猫と同じ高さで座り、同じ目の高さで接することで猫は安心し、トレーニングをスタートしやすくなります。
  • クリック音とご褒美を関連付けする。最初は「カチッ」とクリッカーを鳴らしてからご褒美を与えます。徐々に猫との距離を置き、ご褒美を投げる程度の距離になるまで繰り返します。猫は「カチッ」という音 = 「ご褒美」と理解しますが、徐々にそのご褒美を努力しないともらえないようにしていきます。
  • トレーニング中には猫に話しかけてはいけません。トレーニング中、猫が聞く音はクリッカーの音だけにします。
  • ターゲットスティックを見せる。「カチッ」という音がしたらご褒美をもらえるということを理解したら、ターゲットスティックを見せます。
  • ターゲットスティックを近づける。ターゲットスティックが何かを猫に分からせるために、猫の顔の前にターゲットスティックを近づけてクリッカーを鳴らします。そして、ご褒美を与えます。「ターゲットスティックを目の前に出す→ご褒美をあげる」これを繰り返すことで、猫は徐々に理解します
  • 待つ。ターゲットスティックを前足で触るという次のステップは、すぐに出来るようになるため、すぐにご褒美をあげられるように準備しておきましょう。
  • ターゲットスティックを動かす。ターゲットスティックを動かすと猫も動き始めます。このようにして求める行動を導きます。繰り返し行い、ご褒美をしっかりあげるようにしましょう。

クリッカーとターゲットスティックを使うことで、殆どのことを教えられるようになるでしょう。時間をかけ、根気よく続けることが鍵です。不可能はありません。猫のしつけでさえも、です。

 

メイン画像の出典元:hehaden


このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。