「支配的な」性格の犬たち

「支配的」な犬とは、「暴力的・攻撃的」なわけでも「自分の群れを脅かす」わけでもなく、「仲間のために働く」犬のことです。
「支配的な」性格の犬たち

最後の更新: 26 7月, 2018

仲間と協力して生き、できる限り抗争を避けるのが、自然界の法則です。動物の世界には、群れの中でのパワーバランスがうまく取れるように働く「コントロール」役がいます。犬の場合、「アルファ」が他の犬を従えるようになっています。では「アルファ」とはどういう犬なのでしょうか。そしてそれを知っていれば、どんなことに役立てられるのでしょうか。

まず、支配的とはどんなものかを理解しましょう。支配することを好む犬は、特に暴力的であるとか攻撃的であるとか、群れのメンバーを襲いやすいわけではありません。

支配的な犬たちは、生きるために必要な資源(野生の場合は食べ物やシェルター、飼い犬の場合はおもちゃやお気に入りの場所)を見つけることを得意としています。

「支配」はグループをうまくコントロールするための重要な要素です。また、こういった犬たちは「アルファ」として群れのリーダーに向いていることも多いです。そのためどのような行動をするか把握しておくことはとても大切なことなのです。

自分の出番待ち?中

支配的な犬の行動

  • 食べ物やおもちゃが欲しいときなど、自分が正しいと感じたときに唸ることがあります。
  • 食べ物は飼い主が与える前にその手から取ろうとします。
  • 飼い主を自分と一緒に遊ばせようとします。
  • 人の前で伏せたり、人に跳びかかったり、よく腰を振ることがあります。
  • 飼い主を守るときの体勢は決まっていることが多いです。
  • 歩いているまたは遊んでいるとき、周りの人を押しのけようとすることがあります。
  • 見つめられると見つめ返します。
  • 飼い主の寝床を奪うことがあり、退けられると戸惑います。
  • 飼い主と一緒にいるときに特に、他の人間に向かって吠えることがあります。
  • 家の中の決まった場所、家具を占有します。
  • ドアを通るときなど、飼い主の前を歩こうとします。
  • 散歩の際リードを付けられることを嫌います。
  • 見知らぬ人間が家に来たときには、真っ先に玄関に立ちます。
  • 命令を聞かないことがあります。
  • 散歩中も前を歩き、飼い主を引っ張ろうとします。

しつけ

上手くしつけるためには、ペットの性格を理解してあげることが重要です。特に支配的かどうかの度合いによっては、しつけの方法にが大きく代わります。

犬2匹仲直りして一緒に遊び中

「支配」と「服従」の関係はごく自然なものであり、群れの中により良いバランス・関係性をもたらします。しかし人間と共に生活するときには、資源(食べ物や生活する場所)を守ったり戦ったりする必要はないということを教える必要があります。

支配的な性格だと分かったなら、しつけの目的は「群れのリーダーは自分じゃないということを教える」ことになります。これをできる間にやっておかないと、後に言うことを聞かないなど問題になりやすく、ペットと家族の間の関係に亀裂が入ってしまうでしょう。

しつけの方針

  • しつけ後は、命令には必ず従う必要があります。
  • 食べ物が欲しくても唸ってはいけないと学ばせることが必要です。また、その食べ物を飼い主が触ったり隠したりしても怒らないように教育しましょう。
  • 遊ぶ時間とそうでない時間はあなたが決めましょう。物を探す遊びなら必ず持って来させ、じゃれ合う遊びなら優位に立たせてはいけません。
  • ベッドを共有する場合は、飼い主が許可を出したときのみそのベッドを飼い犬が使えるようにしましょう。その犬の所有物ではないと教え込むことが必要です。
  • ドアを通るときも人の後ろをついてくるように、人を押しのけないようにさせましょう。
  • 飼い主の食事を見つめたり欲しがったりさせてはいけません。ペットの食事時間・場所は決めておきましょう。
  • このグループ(家族)で共に生活するためには、ルール・命令に従う必要があることをしつけで教えましょう。

支配的な犬がどんな性格か、よく分かったと思います。問題なく共同生活が送れるように、しっかり教育してあげましょう。


引用された全ての情報源は、品質、信頼性、時代性、および妥当性を確保するために、私たちのチームによって綿密に審査されました。この記事の参考文献は、学術的または科学的に正確で信頼性があると考えられています。


  • Manteca, X. (2003): Etología clínica veterinaria del perro y del gato, 3ª Ed. Multimédica. Barcelona.
  • Sal, E., Rosas, M., Fernández, V., Lira, B., & Santiani, A. (2010). TIPO Y FRECUENCIA DE AGRESIVIDAD CANINA A HUMANOS EN PACIENTES DE UNA CLÍNICA VETERINARIA EN LIMA. Revista de Investigaciones Veterinarias del Perú, 21(1), 35-41.
  • Especialistas, A. A. D. V. E. (2019). Teoría de la dominancia en perros. Argos: Informativo Veterinario, (207), 78-78.
  • García-Belenguer, S., Palacio, J., Allepuz Palau, A., & Fuentes, N. (1999). Caso clínico: Agresividad por dominancia. Clínica veterinaria de pequeños animales, 19(4), 0243-248.

このテキストは情報提供のみを目的としており、専門家との相談を代替するものではありません。疑問がある場合は、専門家に相談してください。