『人イヌにあう』コンラート・ローレンツと動物行動学

コンラート・ローレンツは動物行動学者の創始者の一人とされています。彼の著書は動物や自然を愛する人、犬のしつけに興味のある人には必読の書です。
『人イヌにあう』コンラート・ローレンツと動物行動学

最後の更新: 14 2月, 2021

コンラート・ローレンツ著『人イヌにあう』は、これまでに書かれた犬の行動学としつけに関しての本の中で最も重要な本の一冊です。ローレンツは、人類とイヌとの関係の起源を取り巻く重要な側面に光を当て、このテーマについて独自の見解を示しています。

コンラート・ローレンツはオーストリアの医師で、動物行動学に大きな関心を持っていました。今日では犬の行動学の父の一人として考えられている人でもあります。

動物好きであればコンラート・ローレンツの作品のファンになること間違いありません。彼ほど犬と人の間に生まれるユニークでダイナミックな関係を美しく描写できる人はいないでしょう。

人イヌにあう

『人イヌにあう』は、『ソロモンの指環』で語られた物語集の続きで、人類に最大の影響を与えてきた動物である犬に捧げられたものです。人間の忠実な友であり助けである犬は、何世紀にもわたって私たちと共に暮らしてきましたそして、この関係の起源を知るためには、ぐっと時間をさかのぼる必要があります。

ローレンツは著書の中でこの美しい物語の起源に触れ、2つの種が出会い、切っても切れない関係になった瞬間を詳しく説明しています。

人イヌにあう コンラート・ローレンツ

それは私たちの祖先が野生のオオカミやジャッカルとの関係を築いたのが始まりです。この関係は長い年月をかけて進化し、今日でも人間と犬との間には尊敬、愛、コミュニケーション、服従といったものをすべてを含みます。ローレンツはこのテーマについて独自の視点を持っていて、彼の洞察力とアイディアは本の始めから終わりまであなたを夢中にさせるでしょう。

本書の多くは、ローレンツが動物と密接に接してきた経験が基になっています。その魅力的なナレーションは、人間の問題や自然界と私たちの関係についてユニークな視点を確立した哲学者としての知性と、科学者としての技術的な繊細さを兼ね備えています。

『人イヌにあう』をおすすめする理由

私たちは、物事がどのようにして今のようになったのかを考えずに生活の多くのことを当たり前と思いながら過ごすことが多いものです。

人間と犬の関係は、1000年の間に多くの変化を遂げてきました。その歴史を知ることで、飼い主にとってもペットにとっても有益な関係性が築けるのではないかと動物行動学者は考えています。

また、人間と犬の関係がどのように進化したかについて詳しく学ぶことは、この関係が今でも存在する理由を理解するのに役立ちます。そして、2つの種の最初の相互作用に光を当てることができるのです。

この本で紹介されているアイディアやアドバイスは、犬との絆をぐっと深める助けになるでしょう。そして、ペットを人間のように扱う擬人化という飼い主に最もよくある間違いの一つを避けるのにも役立ちます。

人間と犬は異なる種であり、物事の理解には違いがあります。私たちにとって重要なのは、動物にスペースを与えることであり、生息地や行動を根本的に変えることは避けるべきなのです。

コンラート・ローレンツ:生い立ちと経歴

  • 1903年、ウィーンからほど近いオーストリアのアルテンベルクで生まれる。医学と哲学を学ぶが、医学は父親に懇願されたためだったという。
  • 1937年から1940年までウィーン大学で動物心理学の授業を担当。
  • 1940年から1973年まで、ウィーン大学のあらゆる学部で働くが、常に心理学と動物行動学を中心とした仕事であった。

1973年には、ローレンツのキャリアの中で最も重要な賞の一つであるノーベル生理学・医学賞を受賞しました。この頃、ローレンツはオーストリア比較行動学研究所の動物社会学部長でもありました。

『人イヌにあう』 コンラート・ローレンツ

ローレンツの最も注目すべき作品には、『人イヌにあう』『ソロモンの指環』『人間性の解体』『未来は開かれている』などが含まれます。どの本を読んでも人間と動物界の関係について理解を深めるのに役立つことでしょう。

その中でも『人イヌにあう』は、現代のしつけの技術を理解する上で最も重要な文献の一つです。

しかし、ローレンツは単にしつけ法やアドバイスをするだけではなく、犬がどのように考えているかを理解するよう私たちを促し、人間と動物の複雑なダイナミクスを掘り下げるよう後押ししてくれるのです。


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