【モンツキテンジクザメについて】陸を歩けるサメ!?

モンツキテンジクザメはとてもユニークな種類のサメで、歩くという能力を持っています。この生き物はオーストラリアやインドネシアの海域に暮らしています。彼らに関する発見について、今回の記事でご紹介していきます。
【モンツキテンジクザメについて】陸を歩けるサメ!?

最後の更新: 23 11月, 2020

サメは私たちの惑星の海に何百万年も前から生息している生き物です。この長い時間の中で、進化をとげて変化した種もいます。最近の発見で、とても不思議な種のことが明らかになりました。それが、歩くサメなのです。

まだ見つかっていない新種というのはもう存在しないとお思いではありませんか?実は、地球の生物にはまだまだ新しい種が見つかり続けているのです。専門家によれば、陸上に種については約86%、海中の種については約91%ほどがいまだに見つかっていないとされているのです。海の生き物に関しては追跡することが非常に困難なため、ほとんどが今だに謎に包まれているのです。

ですので、新しい種をなんとか発見することができると、それは驚くべきことなのです。そして今回ご紹介するモンツキテンジクザメもそうです。現在、この種については知られているものが9種存在し、ニューギニア、北オーストラリア、そして東インドネシアの海に生息しています。

これらすべての種はモンツキテンジクザメ属に属します。この種のサメは浅い海に生息し、一生をサンゴ礁で過ごします。

歩くサメと言われているのはなぜ?

このサメは「歩く」のにヒレを使い、熱帯のごつごつした海底を進みます。彼らの動きは泳ぎというよりも歩きにずっと近いということが観察によって明確にわかったのです。

モンツキテンジクザメは胸びれと腹びれを使って移動します。これによりゆっくりのそのそと海底を歩くことが可能なのです。さらに、潮が引いている際にはサンゴ礁の海の上に出ている部分を歩くこともできます。この可動性により、潮が引いている時にもエサとなる生き物よりも有利になるため、サンゴ礁の主な捕食者となっているのです。

モンツキテンジクザメは潮だまりを次から次へと渡り歩き、カニ、エビ、小魚など、主食となる獲物を捕獲します。

どんな見た目をしているの?

モンツキテンジクザメは体長約90センチくらいの割と小さい体をしています。体はスレンダーな円筒形をしており、口は丸く、長い尻尾を持っています。皮膚の模様は種によって異なりますが、背中のあたりには白と黒の斑点があります。

歩くことで動き回ることができるという能力、そして酸素がほとんどない環境でも生きられるという能力があることから、彼らは高い捕食力を誇ります。しかし、人間に対しては攻撃性を持っていません。ですので、モンツキテンジクザメを攻撃するということは全く理にかなっていないのです。

歩くサメの進化

サメは時が止まったかのように思える動物です。4億年もの間、その姿かたちがほとんど変わっていません。だからこそ、この特徴の発見は珍しい出来事なのです。これは、卵を産むために外に出るということもほとんどなく、一生を熱帯の海で孤立して過ごすのが理由かもしれません。

専門家は、歩くサメのさまざまな種が、もともとの生息地から移動してから進化を遂げたと考えています。そうすることで、新たな地で遺伝的に孤立化し、何百万年もの進化の結果、新しい種となったのです。

モンツキテンジクザメ 歩くサメ
画像元:Mark Erdmann | Conservation International

モンツキテンジクザメへの脅威

絶滅危惧種のレッドリストによれば、このサメの仲間はその危機にさらされているようです。しかし、彼らの生態系についてはほとんどわかっていないため、実際にどのような状況なのかは専門家にも正確にはわかっていません。

モンツキテンジクザメの乱獲や、水族館による捕獲などが主な脅威となっています。また、気候変動の影響や生息地の破壊など、彼らの保護に影響するようなその他の要因も同時に関わっています。

モンツキテンジクザメの生息地の破壊は、この種に深刻なダメージを与えかねません。この種の中には、とても限られたエリアにのみ生息し、現在の生息地に昔からいるものもいます。

現在知られているすべての生き物の保護のために、私たちは闘わなければなりません。それがまだ見つかっていない種だとしてもです。そうすることで、その美しさを鑑賞し、野生の生息地に暮らす動物たちを研究することができます。 生物の多様性こそが、私たちの星と私たちの命を豊かにしてくれているものなのです。


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  • National Geographic. Los tiburones caminantes del archipiélago Indo-Australiano, 2020.
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  • Yoppy Jutan, ASW Retraubun, AS Khouw, VPH Nikijuluw and JA Pattikawa. Study on the population of Halmahera walking shark
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